PCはどこに置くと良い?最適な置き場所は通気性が良く、キレイなところ
2018/09/04
本エントリーの目次
新しいPC(パソコン)を購入したときに、迷ってしまうポイントの一つがこちら。
PCはどこに置けば良いんだろう?
PCはとっても高価な精密機械。
だから大事にして長く使いたいですよね。
そしてそのためには、どこに置くのがベストなんだろうかと、迷ってしまうのは当然です。
そこで今回は、PCの置き場所を決めるときの注意点やポイント、おすすめの場所をご紹介します!
PCの置き場所を決めるときの注意点やポイント
PCの置き場所を決めるときの注意点やポイントは以下のとおりです。
閉所(風通しの悪いところ)に置いてはいけません!
PCの内部には、CPUやグラフィックボードなどの発熱する部品が搭載されています。
そのため以下のような強制冷却用のファンが絶えず回転・送風し、内部部品を冷却しているのです。
CPU冷却用ファンの例:
グラフィックボード冷却用ファンの例:
これらファンの送風により各パーツから熱を奪って暖かくなった空気は、PCケース内に発散されます。
そこで以下のようなケースファンを使って、PCケースの前面・側面部から室内の冷たい空気を吸気。※
PCケース内に発散された暖められた空気は、吸気ファンが吸気した冷たい空気に押し出され、かつPCケース背面に設置された排気ファンにより空気の流れが起こり、PCケース外に排出されます。
この一連の吸排気の流れによりPCケース内の温度を一定に保ち、内部パーツの加熱による破損を防いでいるのです。
※吸気ファン・排気ファンは両方付いている場合やどちらか片方しか付いていない場合など、ケースによって異なります。また発熱が少ないシステム向けのPCケースでは、ケースファンが搭載されていないこともあります。
こういった冷却機構の仕組み上、閉所(風通しの悪いところ)にPCを配置すると、排気した暖かい空気を再度吸気してしまい、ケース内部や周囲の空気の温度がどんどんと上昇。
温度が上がるにしたがい十分な冷却能力が得られなくなり、冷却不足となってしまいます。
PCの内部部品の中にはコンデンサーなど、熱に弱い特性を持ったものもあり、冷却不足は製品の寿命を縮めます。
また極端に高温状態となってしまうと正常に動作しなくなるばかりか、破損の原因となってしまうことも。
したがってPCをキャビネットの中など、閉所(風通しの悪いところ)に置いてはいけません。
可能なかぎり風通しの良い場所に置いてあげると良いでしょう。
閉所に配置すると、無線通信にも影響が出てしまいます!
無線LANによる通信が可能なPCの場合、そのアンテナ部を閉所に配置すると、無線LANの通信に悪い影響を与えてしまうことがあります。
これにより通信速度の低下や不安定である、つながらないなどの問題が発生しやすくなります。
またBluetoothに代表される無線通信を行うタイプのキーボードやマウス、スピーカーなどの通信にも悪影響を与え、同様の問題が起こります。
これら問題の発生を防ぐ観点からも、閉所に置くのはおすすめできません。
参考:Wi-Fi(無線LAN)の電波が弱い・届かない・速度が遅い場合の対策
机の下への設置は避けた方が良い!
以下のような比較的大きめのタワー型筐体のPCでは、室内のスペースを広く使ってしまって邪魔になるのを避けるため、机の下に設置したくなる方もいらっしゃるでしょう。
ですがこれはあまりおすすめできません。
たしかに机の下に設置すれば、室内のスペースを圧迫せずにすみます。
ただこの位置にPCを置くと足で蹴ってしまったり、離席の際などイスを机の下に入れる(戻す)ときにPCにぶつけてしまうことが。
このとき当たりどころが悪ければ、接続していたUSBデバイスを壊してしまう。
あるいは接続される側のUSBポートを、バキッと破損させてしまうこともあるでしょう。
特にケースの前面方向に突き出るように、USBメモリーを接続するタイプのPCケースがキケンでして。
バキッと壊してしまいやすいので要注意です!
床への直置きは避けた方が良い
PCケースは先にも書いたとおり、内部パーツの冷却のためにケースの前面や側面部から空気を吸入しており、たとえば以下ケースであれば、前面部に非常に大きな面積の吸気口を持っています。
そして床の上はしっかりと掃除をしているつもりでも、小さなゴミやホコリがたくさん落ちています。
そのためPCを床に直置きしていると、床の上のゴミを吸気時に一緒に吸い込んでしまい、PC内部の汚れの原因となりやすいのです。
PCケースの内部に吸い込まれたホコリは、ファンブレード(冷却ファンの羽根)や放熱フィンに付着し、ファン軸受部の異音の原因となったり放熱性能の低下につながります。
したがって床に直置きするのではなく、少し高さのある何か台の上に置いて、床の上のゴミを吸わないように配慮しておくと良いでしょう。
台の上に置いておけば、ロボット掃除機をお使いのご家庭でも安心です。※
小型のPCなど机の上に置いても作業スペースを圧迫しないのであれば、机の上に置いておくとUSBメモリーの抜き差しがしやすく便利です。
もし適当な台が見つからないようであれば、頻繁にPCの周りに掃除機をかけるのも一つの手です。
※ロボット掃除機は方向転換の際など、結構な勢いでガツガツぶつかるので、長期的に繰り返されると振動や衝撃により内部パーツの破損につながる恐れがあります。
また以下製品のようなPC専用のスタンドもおすすめできます。
これらの製品は底部にキャスターが付いており、コロコロと転がすことでPCケースを簡単に運べるようになる、という利点もあります。
ホコリっぽいところには置かない
床への直置きにかぎらず、ホコリっぽいところやゴミが多いところなどにPCを置くと、内部にゴミを吸い込んでしまいます。
そのため、こういったところにPCを置くのも厳禁です!
直射日光が当たらない場所に置く
直射日光が当たる場所にPCを置くと、ケース外装部の樹脂やゴムパーツが劣化したり、色があせる、変色などの問題が起こります。
また夏場は直射日光によりケース自体が加熱され、変形、内部パーツの破損につながることも。
したがって直射日光が当たらず、日陰となる場所に置くようにしましょう。
強度があって揺れず、安定性がある場所に置く
強度が低そうな樹脂製の台などの上にPCを置いているのを見かけることがありますが、これはキケンです。
地震が起きた際などに台が壊れてPCが落下・転倒し、破損してしまう可能性があります。
さらに、強制冷却用ファンは回転により小刻みに振動していることから、不安定な台の上に置いておくとケースが共振しやすくなり、ビビリ音の原因となります。
そのため強度があって揺れず、安定性がある場所に置くのが望ましいです。
机からあまり遠くない場所に置く
PC本体の電源を入れたり、DVDなどの光学メディアの出し入れ、USBの抜き差しの都合上、作業用の机から遠いところにPC本体を置くと不便です。
こういった操作を頻繁に行うと予想される場合には、作業用机の近くに置いておくと便利でしょう。
これとは反対に、PCの電源を入れた後は一切こういった操作を行わないということであれば、机から遠い場所に置いてももちろんOKです!
タバコを吸わない部屋に置く
喫煙者の場合は、タバコを吸わない部屋にPCを置くことを強く推奨します。
あるいはPCを置いた部屋では、タバコを吸わないようにしても構いません。
これはどうしてかというと、PCの内部が汚れやすくなるからです。
タバコの煙をPCのケースファンが吸い込み、PCケース内部を通過する間に、ヤニ成分が内部パーツや放熱フィンに少量付着します。
これが長期的に繰り返されると内部部品に大量のヤニがこびりつき、それにホコリが付いて※ケースの内部が汚れたり、冷却性能の低下を引き起こすのです。
※ヤニ成分は粘着性があるため、ホコリやゴミがくっつきやすくなります。
通風口を塞がないように置く
PCケースのケースファンの吸気口や排気口の近くに物を置くと、吸排気効率が下がって冷却性能が低下します。
また冷却性能を補うために吸排気ファンの回転数が上がり、ファンの回転ノイズが発生し、不快感を感じるはず。
特に吸気口の面積を減らすと、吸気用ケースファンから大きな吸入音が発生します。
参考:PCがうるさい原因と対処法 ファンの音がうるさいパソコンを静音化!
PCの置き場所を考えるときは、近くに通風口を塞ぐものがない場所を選ぶようにしてください。
PCケースの背面を、壁に極端に近づけるように置いている状況もよく見かけますが、この設置パターンでは排気が妨げられるため、おすすめできません。
さらに壁が排気に含まれるホコリやゴミで汚れやすくなる、というデメリットもあります。
以上の注意点やポイントを考慮して、設置場所を決めると良いでしょう。
やむを得ずゴミを吸い込みやすいところに置く場合は、吸気ファンにフィルターを!
やむを得ずゴミを吸い込みやすい場所に置く、または自宅で猫などのペットを飼っている※場合には、吸気ファンにフィルターの設置を強くおすすめします。
※犬や猫などペットを飼っている場合、毛を吸い込みやすいため。
フィルターは以下製品のように、単品販売されています。
こういった製品を購入して取り付けておけば、PCケース内に入り込むゴミの量がかなり減るので、内部の掃除が楽になります。
フィルターがキャッチしたゴミは、定期的に掃除機で吸い込んでフィルターから取り除いてください。
キャッチしたゴミをそのまま放置すると吸入抵抗となってしまい、冷却性能が下がります。
メタルラックは通気性抜群でちょうど良い置き場所になります!
部屋の中にPCの適切な置き場所や台が見つからない場合には、メタルラックを購入してその棚板の上に置くのも一つの手です。
以下製品のようなメタルラックは、四方に板がなく開放されています。
そのため通気性抜群でPCの冷却を妨げません。
また耐荷重が数十kgと高く、重いものを載せてもまったく問題なく、安定性抜群!
棚板に穴が空いていないタイプの製品を使うことで、PCを置けるようになります。
はるるも以前はメタルラックに3台のPCを置いており、しっかりと安定していました。
メタルラックのパーツを個別購入して、通気性良く移動できるPCスタンドを作ることもできます。
これについては別途、メタルラックパーツで通気性良く移動できるPCスタンド(置台)を作る方法でくわしく書いているので、興味がある方はあわせてご覧ください。
動作音が気になるなら、PCを別の部屋に置くという選択肢も!
最後に、PCを別の部屋に置くという選択肢についてもふれておきましょう。
ハイスペックPCになればなるほど、内部パーツの発熱量が増大。
その冷却のために、ファンが高速回転します。
これにより動作音が大きくなり、気になって仕方がない!という状況が起こることがあります。
こういった場合には騒音の発生源であるPC自体を、思い切って別の部屋に置いてもOK!
参考:PCの静音の究極系かも!うるさいPCを隣の部屋に置いて静音化する方法
以上、参考になさってくださーい!