ノートPCでゲームはできるの?可能ですがデスクトップの方がおすすめ!
本エントリーの目次
はるるは仕事柄、勤務先で数百台のクライアントPCやサーバー、ネットワーク機材などを管理しています。
そのため友人や勤務先の同僚から、PCについてさまざまな質問や相談を受けることがあります。
そしてその中で、最近立て続けに複数の方から以下のような内容について、質問を受けています。
ノートPCでPCゲームはできるの?
質問の要点をまとめると、以下のとおり。
- 現在使用しているPCが老朽化してきたので、買い替えたい。
- PCゲームに興味があるので、新しいPCに買い替えたら、PCゲームを始めたい。
- 部屋のスペースや可搬性※の都合から、できればデスクトップPCではなく、ノートPCが望ましい。
- ノートPCはなんとなく、デスクトップPCよりも性能が低いイメージがある。
PCゲームは高い性能を必要とするとネットに書いてあったので、ノートPCで正常に動作する(プレイできる)のか不安。 - ノートPCでPCゲームはできるの?
※持ち運びのしやすさ・携帯性の良さのこと。
質問の細かい内容については異なりますが、デスクトップPCではなくノートPCに買い替えたい。
そしてノートPCでPCゲームはできるの?という大筋については、共通している質問・相談でした。
複数の方から立て続けに同様の質問をいただいたので、この『ノートPCでPCゲームはできるのか』という内容について、知りたいと考えている方は結構いらっしゃるのかもしれません。
そこで今回は、ノートPCでPCゲームはできるのかという点について解説します!
まずはノートPCでゲームができるのかと、不安に感じたきっかけとなったであろう、以下疑問点について解説しましょう。
PCゲームは高い性能を必要とするというのは、本当なの?
多くの場合、冒頭に書いたとおり『PCゲームは高い性能を必要とするとネットに書いてあった』のを見て、『なんとなく、デスクトップPCよりも性能が低いイメージがある』ノートPCでは、PCゲームをプレイできないんじゃないか…。
というように感じたのが、『ノートPCでPCゲームはできるの?』という不安・疑問につながっているのだと思います。
この点については本当です。
PCゲームをプレイする場合、PCのハードウェア(機械部品)には高い性能が要求されます。
特に最近人気となっている高い3D処理性能を必要とするタイプのゲームでは、PCの内部パーツのGPUやCPU。
そして電源周辺部と冷却性能について、高い性能が必要となります。
現在のCPUやGPUでは、性能を高めようとすればするほどに、消費電力が著しく増える傾向にあります。
またこれに伴い、パーツの放熱量が増えることから、熱による機械部品の破損を防ぐため、高い冷却性能も必要となります。
こういった事情から事務作業用のPCなどと比べると、PCゲームをプレイするPCには高い性能が必要になるというのは、本当です。
ただし、すべてのPCゲームが高いハードウェア性能を必要としているかというと、必ずしもそうではありません。
PCゲームの中にも負荷がかるいゲームは多数あり、そういったゲームしかプレイしないということであれば、一般的な性能のPCでも問題ないでしょう。
PCに要求する性能は、システム要件から知ることができます!
PCに対してどれくらいの負荷がかかるのか。
つまりどれくらいの性能を必要とするのか、どれくらいの性能のPCを用意すれば快適にプレイ可能なのかは、PCゲームによって大きく異なります。
そこで多くのPCゲームでは、以下のようにシステム要件(最低スペック・推奨スペック)が公開されています。
(STEAM – FALLOUT4システム要件より引用)
このシステム要件に記載されているCPU(図中ではプロセッサーと表記)やGPU(図中ではグラフィックと表記)と同等以上のスペック(性能)を持つパーツを搭載したPCを用意すれば、そのゲームをプレイすることが可能であることが多いです。※1
最低スペックとは文字通り、そのゲームをプレイするのに最低限必要な性能です。
ただし最低スペックと同等の性能では、画質設定や解像度を大幅に下げるなどしないと、スムーズな動作が困難であり、快適なプレイ環境とは言い難いです。
そのため可能なかぎり推奨スペックに近い性能のPCを用意することを、強くおすすめします。
またそのゲームで設定可能な最高の画質設定、解像度でプレイしたい場合には、推奨スペックを大きく上回る性能が必要となる場合もあります。※2
※1 最低・推奨スペック以上の性能を持っていても、ドライバーの問題や機材の組み合わせなどにより、稀にプレイできないことがあります。(起動直後にクラッシュするなどの問題が起こる場合あり。)
※2 重量級のゲームでは、ある時点の最高スペックのグラフィックボードを複数枚搭載していても、最高の画質設定・解像度・フレームレートでプレイできないことがあります。
ノートPCはデスクトップPCよりも性能が低いの?
PCの性能のほとんどはノート型・デスクトップ型(タワー・フルタワー)といったような筐体のサイズで決まるものではなく、内部に搭載しているパーツ類の性能で決まるものです。※3
したがって一概にデスクトップ型のPCの方が、ノートPCよりも性能が高いとは言えません。
ただし価格がほぼ同じデスクトップPCとノートPCの性能を比べた場合では、デスクトップ型PCの方が性能が高い傾向にあるのは間違いありません。
これは、ノートPCの方が小型軽量であるために内部のパーツが入り組んでおり、組み立てコストが高くなる。
デスクトップ型PCでは不要な駆動用の大型バッテリーが必要である※4、といった理由によるものです。
組み立てコストやバッテリー搭載コストの分、CPUやGPUのグレードをデスクトップPCに比べて下げなければ、同じ価格を実現することはできませんから、これは仕方がないことでしょう。
※3 PC筐体の大きさ自体も冷却性能や拡張性に関係するため、性能に影響があるという見方ができます。
※4 ノートPCとデスクトップPCは両者ともに、バッテリー駆動用とは別に、マザーボードに小型のコイン型バッテリーを搭載しています。
さて、ここまで『PCゲームは高い性能を必要とする』、『ノートPCは同価格帯であれば、デスクトップPCよりも性能が劣る』といった内容について、説明してきました。
そのためノートPCでは、PCゲームをプレイするのは無理なのかなぁ、なんて感じている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが安心してください。
ノートPCでPCゲームはプレイ可能です!
ネットで少し調べていただければ分かると思いますが、現在ではゲームプレイ向けのノートPC製品が多数販売されています。
それらノートPC製品は、ゲーミングノートPCやゲーミングノートといったカテゴリーで、他のノートPC製品と区別して販売されていることが多いですね。
たとえば大手PCショップであるドスパラさんのネット通販サイトでは、以下ページからゲーミングノート製品を購入可能です。
こういったゲーミングノートPCをPCメーカーさんが開発したり、PCショップで販売されていることからも明らかなように、ノートPCでPCゲームのプレイは可能です。
多くの場合ゲーミングノートPC製品では、ゲームプレイに必要となる高性能なGPUやCPU、冷却機構、電源装置を内蔵しています。
そのため、一般向けの通常モデルのノートPC製品に比べ、より快適なゲームプレイが可能となります。
したがってノートPCでPCゲームを楽しみたい場合は、先にご紹介したドスパラさんのゲーミングノートPCの特集ページなどから購入できる、市販のゲーミングノートPC製品を購入すると良いでしょう。
ゲーミングノートPCであれば、どんなゲームでも快適にプレイ可能というわけではありません!
ゲーミングノートPCは『ゲーム向けのノートPC製品である』なんて話を聞くと、ゲーミングノートPCであれば、どんなゲームでも快適にプレイ可能なんだ!スゴイ!と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ですがそれは違います。
ゲーミングノートPCは先にも書いたとおり、通常モデルの製品と比べると、ゲーミングに関する機能・性能についてはより高性能であることが多いです。
そのため、快適なゲームプレイが可能であることが多いのも事実です。
しかしゲームがプレイ可能かどうか、また快適にプレイ可能かどうかはあくまでも、PCゲームのシステム要件(最低スペック・推奨スペック)を満たしているかどうかによって決まります。
ゲーミングノートPCの中にも低性能で安価な製品もあれば、とても高性能で高価な製品も存在します。
そして高負荷なゲームをプレイする場合は、低性能・安価なゲーミングノートPCでは推奨スペックを満たせず、快適なプレイができないことだってもちろんあるのです。
そういったゲームを快適にプレイしたいのであれば、より高性能・高価なゲーミングノートPCが必要となるでしょう。
というわけで、ゲーミングノートPCであれば、どんなゲームでも快適にプレイ可能というわけではないのです。
こういった事情から、事前にプレイしたいゲームが決まっているのであれば、そのゲームのシステム要件を満たすゲーミングノートPCを購入すると良いでしょう。
またプレイするゲームが決まっていない場合には、ある程度余裕を持った高スペックよりのゲーミングノートPCの購入をおすすめします。
そうすれば、後で『PCの性能が足りなくてやりたいゲームができない…どうしよう…』と困らずにすむはずですから。
ノートPCでなければならない理由があまりないのであれば、デスクトップPCの方がおすすめ!
冒頭の『ノートPCでPCゲームはできるのか』という点について、『ノートPCでPCゲームはプレイ可能』。
また『ある程度余裕を持った高スペックよりのゲーミングノートPCの購入をおすすめ』というように書いてきました。
そのため、さっそく高スペックなゲーミングノートPCを購入しよう!
なんて考え始めている方もいらっしゃることでしょう。
ですがその前に、もう少しだけ考えてほしいことがあります。
それはデスクトップ型のPCではダメなのか、ノートPCでなければならない大きな理由があるのか、ということです。
と言いますのもはるるは、ゲームプレイにも使用するPCを購入する場合には、デスクトップPCの購入をおすすめしたいからです。
そしてこれは、以下のような理由によります。
デスクトップPCの方が高性能であり、同等性能であればより安い!
先ほどノートPCはデスクトップPCよりも性能が低いの?で書いたとおり、同価格帯のデスクトップPCとノートPCを比べた場合、デスクトップPCの方が高性能となる傾向にあります。
したがってノートPCの性能を基準に、それと同等の性能となるようデスクトップPCを選択。
または構成変更すると、デスクトップPCの方が安くなることが多いです。
同じ価格であればより高性能な方が良いですし、同等性能であればより安い方が望ましいですよね。
ノートPCの方が動作音がうるさくなりやすい!
高負荷のゲームをプレイしている最中は、CPUやGPUなどの内部部品がたくさんの熱を発します。
この熱をそのままにしていると、パーツが破損してPCが故障してしまうため、ファンなどの強制冷却機構を使って送風を実施。
送風により熱をPCケースの外部に排出することで、ケース内の温度を適切に保っています。
そしてノートPCはデスクトップPCに比べ、ケース内の空間が狭く熱がこもりやすい、小型軽量化を優先していることから大きな冷却ファンを搭載できないなどの理由により、冷却性能が低いです。
そこで十分な冷却性能を得ようと、小型のファンを高速で回転させるため、高負荷状態ではシャー・ファー・キーンといったかなり大きなファンノイズが発生します。
機種によっては、あまりのファン動作音のうるささにゲームに集中できない…。
と感じるようなレベルの大きな音が出る製品もあります。
※デスクトップPCでは吸排気口が大きく、内蔵されている送風ファンが大きいため、ファンを低回転でゆるゆると回しても十分な冷却性能を得られることが多く、ノートPCに比べるとファンノイズが小さいことが多いです。(下記画像は大きなファンを搭載しているCPUクーラー = CPUの強制冷却機構の例です。)
熱による破損を防ぐため、強制的に性能が制限されやすい!
現在PCに搭載されているCPUやGPUでは、熱による破損を防ぐため、一定以上の温度になると性能(クロックなど)を制限する機能が搭載されています。
これはサーマルスロットリングとよばれるもので、性能を監視するツールなどで温度と性能の関係の推移図を作成すると、制限がかかった瞬間に明らかにガクッと性能が下がるのが分かります。
またゲームをプレイ中であれば、突然フレームレート※が落ちたり、ファンの回転数が上がって騒音が発生するため、体感できる場合が多いですね。
そしてノートPCではケース内部に熱がとどまりやすく、デスクトップPCに比べて冷却性能が低いため、サーマルスロットリングが起きやすい傾向にあります。
※静止画を1秒間に何回切り替えて動画を構成しているかを表した数値のこと。これが大きいほどカクカク感のないなめらかな映像となります。
パーツの交換・追加と、それによる性能向上が困難である!
一般的には新しいゲームほど高いハードウェア性能を要求する傾向にあります。
したがってゲーム用PCを長期間使っていると、性能不足により新しいゲームを遊べないケースが増えてきます。
こういった場合デスクトップPCであれば、グラフィックボードを交換し、より高性能なGPUとする。
あるいはCPUを交換する、メモリーを増設するなど、パーツの交換・追加を行い性能を上げることで、新しいゲームを快適にプレイできるようになることがあります。
ところがノートPCでは、パーツの外形サイズなどの問題により、パーツの交換・追加と、それによる性能向上が困難であることが多いです。
重く大きいため、持ち運びに適さない製品が少なくない!
現在市販されている一般用途向けのノートPC製品のうち、小型軽量性能を追求しているものでは重量が0.7~1.3kg。
画面サイズが11~13インチ前後の製品が多いです。
たとえば、はるるが現在使用しているDELLさんのXPS13という以下ノートPC製品では、重量が1.2kg。
画面サイズは13.3インチで、外形サイズは幅304mm ✕ 奥行き200mm ✕ 高さ15mm(最薄部9mm)です。
このくらいのサイズであれば持ち運びがしやすく、外出にも気軽に持っていくことができますよね。
参考:DELL XPS13(9350)は、軽量コンパクトで持ち運びやすいので、仕事用のノートPCにおすすめ!
ところがゲーミングノートPCでは高いゲーミング性能と引き換えに重く、画面と外形サイズがともに大きい傾向にあります。
そのため自宅の机の上に据え置いて使う分には問題ないのですが、頻繁に持ち運ぶのには、あまり適さない製品が少なくないのです。
参考までに、本エントリー執筆時点では高いゲーミング性能を持っているゲーミングノートPC製品、MSIさんのGT75 Titan 8RG-009JPでは、以下のようなサイズ・重量となっています。
ディスプレイ 17.3インチ
中略
外形寸法 428×314×31~58(mm)
質量(kg) 4.56Kg(バッテリー含む)
性能や画面サイズが異なるため、優劣をつけることは難しいですが、DELLさんのXPS13と比べると重さは3.8倍。
そして高さ(厚さ)は2倍以上ということで、少なくとも可搬性(持ち運びのしやすさ)の観点では、XPS13の圧勝と言って良いでしょう。
4.56kgのPCを持ち運ぶなんて、かるい筋トレになっちゃうレベルなんじゃないでしょうか。
ノートPCの大きな特長であるはずの可搬性の良さは、ゲーミングノートPCではあまり期待できないのです。
デスクトップPCであれば、より大きな画面でゲームをプレイできる!
現在市販されているゲーミングノートPC製品では、画面サイズが13~17インチの物が主流でしょう。
このサイズでも、ゲームを楽しむことはもちろん可能です。
対してデスクトップPCでは、21~24インチのディスプレイを使っている方が多いはず。
そのため、より大画面でプレイできるデスクトップPCの方が迫力を感じやすいですし、小さい文字が読みやすいのは間違いありません。
ノートPCでも外部モニターを接続できる機種の場合は、大画面モニターに映像を映し出してPCの操作が可能です。
しかしその構成はデスクトップPCと同じようなものとなってしまうため、それならば最初からデスクトップPCを買っておけば良さそうな気がします。
というわけで、ノートPCでなければならない理由があまりないのであれば、デスクトップPCの方がおすすめであると、はるるは考えています。
PCショップ ドスパラさんでは、たくさんのゲーミングノートPCやゲーミングPC(デスクトップPC)が販売されているので、性能と価格の関係や価格の目安を知りたいときは、確認してみると良いかもしれません。
PCゲームは本当に楽しいので、プレイ環境を用意してぜひプレイしてみてくださーい!