離婚後の持家はどうする?住み続けるという選択肢も!
2017/09/08
本エントリーの目次
はるるは離婚後も、元妻との結婚生活中に購入した一戸建てに住み続けています。
離婚をする際に、一戸建てやマンションなどの持家を保有していた場合、それらをどうするのか、この点については悩む方も多いはず。
そこで今回は、離婚後も結婚生活中に購入した一戸建てに一人で住み続ける、という選択をした、はるるの事例をご紹介します。
離婚の際の経済状況
持家をどうするのか、という問題は、それをとりまく経済状況を抜きにして考えることはできません。
そこでまずは、はるる達元夫婦が離婚した際の経済状況について、書きたいと思います。
まずはるる達元夫婦が、離婚をした際の互いへの慰謝料はゼロ。
また多少の貯金もありました。
そこで財産分与については、以下のように取り決めを行い、公正証書を作成しました。(公正証書についての詳細はこちら)
- 慰謝料は互いにゼロ。
- 車は元妻のものとする。
- 現金(預金)については、車の時価相当額を現金(預金)額と合計し、その半分の現金をはるるのもの、残りを元妻のものとする。
- 結婚生活中に購入した持家(一戸建て)は、はるるのものとする。(住宅は元々はるる名義。)
- 持家の住宅ローンは、はるるが払い続ける。
つまりはるると元妻は、車と現金部分で財産を折半し、持家についてはローンも含めてはるるのものとした、ということです。
離婚の際の持家の状況
はるる達元夫婦が新築の持家を購入したのは、離婚の数年前のこと。
もちろん現金一括で買えるはずはなく。
購入額の1/5ほどを頭金として現金で支払い、残りの金額について35年ローンを組んで購入しました。
元金はほとんど減っていない…
住宅ローンを組む場合、多くの方が月々のローン支払い額が変わらない元利均等返済を選択すると思います。
実際に住宅ローンを払っている方なら分かると思いますが、これ、最初はビックリするほど、元金が減らないんです。
元利均等返済はその特性上、支払いの最初のころは返済額の多くが利子。
そのため住宅ローンの返済を開始してからの数年は、はぁ…。まだこれしか元金、減ってないのか…?
とため息が出てしまうほどに、元金が減りません。
その例にもれず、はるるの住宅ローンも、返済を開始して数年では、元金があまり減っていない状況でした。
多分オーバーローン
よく新築の家は、住み始めた時点で価値が2割下がる、なんて言いますよね。
はるるはこの2割分を頭金で既に支払い済み。
ですが住んでいる数年間に下がった価値の分、毎月の返済で元金が減っていたのか、というと微妙な感じ。
というか、おそらくそこまでは減っていないでしょう。
それくらい住宅ローンの返済を開始してからの数年では、元金は減らないんですよ、ホント。
本来なら不動産屋さんに査定に出して、どれくらいで売れるかをしっかりと把握すべきだったのだと思います。
ただ当時は離婚の条件を決めることで、バタバタしており、それもできず。
そのため、これははるるの予想になってしまいますが、おそらくは離婚当時の状況ではオーバーローンだったはず。
オーバーローンとは
不動産を取得した際の借入金残高が、現在の不動産の価値を上回っていて、仮にその物件を売却しても売却益が出ず、負債が残ってしまうことを、オーバーローンといいます。
なぜ、離婚後も持家(一戸建て)に住み続けようと思ったのか
さて離婚後の現在も、はるるは元妻との結婚生活中に購入した一戸建てに住み続けています。
広い一戸建てに、離婚後の男が一人暮らしをしているのは、何ともさびしい話だ、という意見もあると思います。
はるる自身もそう思いますから、そう思われてしまうのも仕方がありません。
それではなぜ、離婚後も結婚生活中に購入した一戸建てに、はるるが住み続けているのか。
それは以下のような理由から。
月々の返済額が賃貸とさほど変わらない
はるるが家を購入したのは、20台中盤の時。
当時のはるるの経済力では、購入できる家は限られていました。
そのため、建て売りのかなりリーズナブルな物件を購入しました。
また幸いなことに、結婚当初から家の購入資金を貯めていたため、多少の頭金も用意できました。
その結果、はるるが契約した35年の住宅ローンでは、借入金額を低めに抑えることができ、月々の返済額も低く抑えることができた、というわけ。
そしてこの月々の返済額は、固定資産税などの維持費用を合わせても、周辺の1DKの駐車場なしのアパートやマンションの賃料と比べて、あまり変わらないくらいの金額です。
そのため離婚して片働きとなったはるるでも、返済金額が多くて大変、ということはありません。
いつかは自分の財産になる
賃貸のマンションやアパートは、家賃をいくら払い続けても、自分のものにはなりません。
ですが一戸建てやマンションを購入し、持家とした場合は違います。
それは住宅ローンの返済を毎月地道に続け、完済すれば自分の財産となるから。
引越すのが面倒だった
住宅を売却して引越すにしても、さまざまな手続きや引越し作業が必要です。
ですがサラリーマンのはるるは、長期間会社を休むわけにもいかず、これらの作業を行うのも簡単ではありません。
そのためこれらの作業を面倒に感じ、引越しをしたいという気持ちは、あまりわきませんでした。
現在の住環境に不満が無かった
幸いなことに、はるるはご近所さんとの関係も良好で、ご近所トラブルとは無縁。
またはるるの購入した一戸建ては、職場から自転車で20分ほどのところ。
最寄駅は少し遠いですが、バス停が家のすぐそばにあり、交通の便もそれほど悪くはありません。
さらにいくらリーズナブルな建て売りといえど、アパートよりは多少ですが、室内設備も豪華。
仮に一戸建てを処分して引越すにしても、今の住居よりも住環境が上がる、または住環境が下がった分住居費も下がる物件が、簡単に見つかるとは思えませんでした。
引越しにメリットを見出せなかった
つまりはるるが、なぜ離婚後も持家(一戸建て)に住み続けようと思ったのかをまとめると。
周囲の賃貸アパートを借りるのと同程度の費用で、面倒な手続きをせずに済み、住環境もまずまずの家に住み続けられる。
そしていつかは自分の財産となる一戸建てを、少し損になる形(オーバーローン状態)で売却し、引越すことにメリットを感じなかった。
ということ。
こうしてまとめてみると、すごく自然というか、当然な理由ですね。
離婚後も持家(一戸建て)に一人で住み続けていく、ということ
離婚後も結婚生活中に購入した持家に住み続けていくことに、心理的な抵抗を感じないのか、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
感じなかった、と言えば、それは嘘になります。
住んでいたのは長い期間ではありませんが、それでも元妻や息子と暮らした家。
そこかしこに思い出が詰まっています。
たとえば掃除機をかけている時に、ふと目に留まった床の凹み。
ああ、これは息子が不機嫌な時に、ブリキのパトカーのおもちゃを投げた時の傷だなぁ。
とか。
おっ!こっちは元妻が手を滑らして包丁を落として、床に突き刺さった時の傷か。
とか。
そういうのをふとした生活の中で、急に思い出すことはあります。
そういった時には、どうしても少し感傷的になってしまいます。
こればかりは避けようのないことだと思います。
そしてそういった心理的な抵抗よりも、先ほど挙げたような実益をとった、ということです。
覚悟しておかなければならないこと
『どうして、離婚後も一戸建てに住み続けているの?』
『もったいないと思わないの?』
『広い家に一人暮らしで寂しくないの?』
心配して言ってくれているのかもしれませんし、純粋な好奇心によるもの、なのかもしれません。
はるるには、その真意は分かりません。
ただ離婚後も持家に一人で住み続けていくという選択をすると、大なり小なり、こういったことは聞かれるもの。
そう覚悟しておいた方が良いかもしれません。
実際はるるも、会社の若い子にこう聞かれました。
『はるるさん、離婚後も一戸建てに1人暮らしって寂しくないんですか?』
はるる自身、離婚後も持家に住み続けることを決めた時に、ある程度こういったことは聞かれるのだろう、と覚悟はしていました。
ですが実際に言われると、やはり結構凹みます。
そうは言っても、いつまでも凹んでばかりもいられないので、そんな時は、こう返すようにしています。
はるる『え?○○さんが一緒に住んでくれるの?うれしいなぁ。ちょうど1部屋開いてるんだよ~。家賃月3万円でどう?』
持家に一人暮らしは、部屋をもてあますことも
はるるの家は4LDK。
ですがその内の2部屋は、ほとんど使っていません。
1部屋は、洗濯物の部屋干し専用ルームとしての用途はあると言えば、ありますが…。
残る1部屋は何の用途もないのが現状。
ですが使っていなくても、ホコリがたまり、部屋は汚れます。
そのため週に1回は、掃除機をかけるようにしています。
使っていない部屋を掃除する、というのは何とも面倒。
でも毎週の掃除はまだましなんです。
大変なのは年末の大掃除。
家中の大掃除を一人でやるのは、本当に大変。
もちろん1日では終わりません。
また連日の作業は疲れてしまい、肉体的にキツイ。
というわけで、はるるは12月の毎週土曜日の4日間を使って、少しずつ大掃除をするようにしています。
それでもキツイということには、変わりはありませんが。
また地域の清掃などの町内活動、一戸建てであれば家の周りの掃除なども、すべて自分一人でやらなければなりません。
このように持家に一人暮らしをするのは、部屋をもてあますのはもちろんのこと、その維持・管理もなかなか大変。
離婚後も持家に住み続ける、という選択肢もある
離婚の際に、一戸建てやマンションなどの持家を保有していた場合、それを売却し、その売却益(あるいは損)と現金(預金など)を合計し、それを財産分与として折半する、というのはよく聞く話。
それに対してはるるのように、離婚後も持家で一人暮らしをする、という方はかなりの少数派でしょう。
妻と子が家に残る、という逆のパターンははよく聞きますが。
ですが離婚後も持家に住み続けることに、何らかのメリットや合理性(往々にしてそれは、経済的なものであることが多いですが)を見出せるのであれば、離婚後も持家に住み続ける、というのも一つの選択肢だと思います。
それがたとえ1人暮らしであっても、です。
離婚後の持家をどうすべきか悩んでいる、ということであれば、どちらかが住み続ける、という選択肢も考えてみると良いのかもしれませんよ。