[書評]チェックはダブルでもトリプルでもなく”セルフ” ANAの口ぐせ
2018/04/22
今回は、ANAビジネスソリューションさんが執筆している本、どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせのご紹介。
会社という「チーム」で働くすべての人へ
ANAの口ぐせは、このような書き出しで始まります。
会社勤めをしているサラリーマンであれば、その誰もが、例外なく会社というチームの一員である。
そしてチーム一丸となって、利益や顧客満足度の追及、社会貢献を目指す、それが会社という組織の1つの姿。
グループ総勢3万人の超巨大チームである、ANA(全日本空輸株式会社)は、会社として、チームとして、どのようにチームで成果を出す働き方をしてきたか。
これを全35個の社員がよく交わす言葉 = 口ぐせを例に、紹介してくれているのが本書、どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせです。
その中でも最も強く共感したワンフレーズをご紹介したいと思います。
チェックはダブルでもトリプルでもなく”セルフ”
ANAに限らず、実際の業務の現場では、ある人が行った作業の確認を、別の誰かが行うダブルチェック、というのはよくあること。
こうすることで、作業の精度・品質を上げることを目指しているわけ。
はるるの勤務先はIT関連会社ですが、これに似た制度があります。
ですがこれ、はるるはまったく信用していません。
正確には、あてにしないようにしている、というのが正しいのかも。
それはとある作業を考えた時、その作業内容を最も熟知しているのは、通常は作業者本人だから。
そりゃそうですよね。
確認作業を行う第三者が、作業者のすべての作業を事細かに見ていれば、話は別。
ですがそうでなければ、作業者が作業をどんな風に行ったのか、一番詳しいのは作業者本人でしょう。
だから第三者が、後で作業者のすべての作業をしっかりと確認する、というのは、非常に難しいことだと思うのです。
さらに第三者が確認してくれるから、という意識が作業者本人に働き、自分自身の作業や確認に、無意識の手抜きとそれによるミスが起こってしまう、という可能性も。
そのためはるるは、勤務先では第三者による確認制度を利用こそしていますが、あてにはしないようにしています。
もちろん第三者の経験値が非常に高かったり、作業者の思いがけない、想定していない何かで、ダブルチェックやトリプルチェックで不具合が見つかることはあると思います。
だから、ダブルチェックやトリプルチェックを否定するつもりはありません。
ただそれをあてにして、作業者本人によるチェック(セルフチェック)がおろそかになってはいけない、こう考えているということです。
このこれまではるるが心がけていたことを、とても見事なキャッチフレーズで、的確に表現してくれているのが、『チェックはダブルでもトリプルでもなく”セルフ” 』という口ぐせ。
これは当分の間、はるるの心の中での流行語になりそうです。
自分のチェックが完了したものは、そのままお客様に納品するつもりで
もう1つはるるが業務を行う上で、心がけていることがあります。
それは自分のチェックが完了し、チェック担当者に結果物を引き渡した時点で、お客様に納品したこととする、というもの。
つまり社内の第三者によるダブルチェックの結果、ミスが見つかった場合、それはお客様の元で発生しており、大問題である。
こう考えるようにしているのです。
それにより、自分の受け持った仕事に対して強い責任感を持ち、しっかりと仕事を全うしよう!
という意識を常に持つようにしています。
そのためチェック担当者さんから、はるるさん、ここ間違ってないかね?
なんて指摘されると、ものすごーく凹みます。
ミスを未然に防げたわけですから、チェック担当者さんには感謝の気持ちでいっぱいなんですが、数日間は元気がないことも。
まぁ、それくらい気を付けて業務にあたるようにしているよ、ということで。
朝礼や研修のネタにピッタリ!
この、どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせでは、他にもチームで成果を出すにはどうしたらよいのか、というテーマに基づいた、ふむふむ、なるほど。
こう思えるネタがたくさん。
さらに1つの口ぐせは、大体5分程度で読めるものがほとんど。
そのため、チームの朝礼の際や研修のネタには、ピッタリなんじゃないでしょうか。
冒頭に書いてあったとおり、会社という「チーム」で働くすべての人へ、おすすめできる1冊だと思います。