赤い小さいクモのような虫はタカラダニ!その対処法は?
2018/04/22
本エントリーの目次
赤い小さいクモみたいな虫が大発生!
毎年5月、6月頃になると、はるるの家の玄関まわりやベランダ、庭のそこかしこに、赤い小さいクモのような虫が大発生します。
これはもはや梅雨入り前の風物詩、といった状況で、うじゃうじゃ動いている彼らを見つけると、もうそろそろ梅雨が始まるんだなぁ、なんて感じます。
そして当然今年も、先々週ぐらいからちらほら見かけるように。
まったく一体どこから来ているのやら。
自転車のハンドルにまで!?
昨日も会社に出勤すべく、自転車に乗ろうとすると、ハンドルに小さく赤くうごめく大量の彼ら…。
もちろんそのまま乗るわけにも行かず、近くにあったブロアー(空気を猛烈な勢いで吹き出す機械)で吹き飛ばしてから、会社に向けて出発。
そして会社に向かう道すがら、自転車に乗っている最中に、ふとこう思ったわけ。
あの虫はなんという名前なのか、そして人間に害はないのだろうか、と。
そこで今回は、毎年5月、6月頃に玄関やベランダなどに大発生する、赤い小さいクモのような虫について、調べてみました!
え?ダニ!?クモじゃないの?
さて、早速毎年大発生する、赤い小さいクモのような虫について調べてみたところ、驚きの事実が!
彼らの名前はなんと、『タカラダニ』というらしい。
え!?ダニ?と思われた方も多いでしょう。
もちろんはるるもです。
つまりクモだと思っていた彼らは、実はダニの仲間。
ずいぶん小さいクモだなぁ、とは思っていましたが、ダニということであれば、納得。
ダニは眼に見えないくらいに小さい、というのが、はるるのイメージだったので。
ただ、タカラダニは肉眼でしっかりと見え、ダニの中では大型種とのこと。
またあの特徴的な赤色のせいか、かなり目立つので、より大きく見えるのかもしれませんね。
ちなみにこのタカラダニ。
正式名称は、ダニ目前気門亜目タカラダニ科アナタカラダニ属のカベアナタカラダニ、とのこと。
長い…。
メスしかいない!?
次にタカラダニの生態について調べてみたところ、これにもまたビックリ。
なんと彼らの生態は、まだしっかりと解明されておらず、よく分からないらしい。
ただ以下のようなことは、すでに分かっているそう。
- 幼虫の頃はコケを食べたり、セミやクモに寄生して、体液を吸って成長する。
- 成長が進むと、地表に降り立ち(落っこち)、脱皮を行い、成虫になる。
- 成虫は花粉がお好み。(花の花粉を食べる。)
- メスしか存在せず、単為生殖(受精が不要な生殖法)の可能性がある。
ふむふむ、なるほど。
体液を吸うという時点で、ちょっとお友達にはなれなそうな感じです。
メスしか存在しない世界、というのは想像できませんが、少し寂しいような気が…。
人間に害はない!
セミやクモに寄生して体液を吸う、ということなので、人間にも害がありそう。
ですが今のところ、人間に寄生するだとか、体液を吸う、といった報告例はなく、害はないとされています。
ただタカラダニには、セミやクモの体液を吸うための、ストロー状の器官が有り、それが偶発的にヒトの皮膚に刺さってしまう可能性はあるらしい。
一番の問題は、赤い死骸!
人間には害がない、タカラダニ。
問題となるのは、大量の赤い小さい虫(ダニ)がうごめく生理的な嫌悪感。
そしてもう一つが、赤い死骸。
特に厄介なのが、後者でしょう。
タカラダニは体液まで赤いため、つぶしてしまうと、周辺を赤い体液で汚してしまいます。
たとえば洗濯物をたたむ際などに、タカラダニが洗濯物に付着しているのに気付かずにたたんでしまうと、洗濯物を死骸の体液で、赤く汚してしまうことも。
また玄関でタカラダニを踏んでしまうと、玄関や靴の裏が赤く汚れてしまいます。
室内に侵入されると、駆除しづらい!
タカラダニは大群で攻めてくる(侵入される)ことが多いため、室内で見つけると軽いパニック状態に。
はるるが以前住んでいた住居でも、ある日パソコンを使おうとキーボードを見ると、そこには一面にタカラダニがウヨウヨしていたことが。
これを見た時は、本当に寒気がしたほど。
しかもタカラダニは体長が0.5~1mm程度と非常に小さく、駆除しようとしても、キーボードの裏側に隠れてしまうため、駆除しづらいんです。
そのためタカラダニが屋内に侵入するのは、何としても防ぎたいところ。
放置しても、7月にはいなくなる
毎年5~6月頃になると、大挙してやってくるタカラダニ。
しかし放っておいても、7月中旬ぐらいまでには、ほとんど見かけなくなるはず。
これは7月前後には卵を産み、そして死んでしまうため。
7月まで、屋内に侵入させないことが重要!
ここまで、タカラダニの特徴を書いてきましたが、ポイントをまとめると以下のとおり。
- 7月には勝手にいなくなる(卵を産んで死んでしまう)。
- 屋内に侵入されると、駆除が大変。
というわけで、7月までタカラダニを屋内に入れない対策をすることが、とっても重要というわけ。
タカラダニの駆除方法
タカラダニを屋内に入れないための第一の対策は、家の周囲に生息するタカラダニを駆除すること。
これには以下のような方法があります。
殺虫剤
タカラダニには、ピレスロイド系の殺虫剤がよく効き、少量噴射するだけで駆除可能です。
具体的な製品としては、キンチョールなどが該当します。
ただ屋内で殺虫剤を使用すると、タカラダニの死骸の処理が大変。
というのも、死骸をティッシュなどで拭き取ろうとして、誤ってつぶしてしまうと、赤い体液が出て周囲を汚してしまうため。
この点を考慮すると、殺虫剤は屋外でのみ有効なんじゃないかと。
ただ屋外については、後述する水攻めの方が楽でしょう。
そのためタカラダニ相手には、殺虫剤の直接の出番はあまりないのかも。
水攻め
屋外であれば、殺虫剤に比べ、よりお手軽な水攻めがおすすめ。
タカラダニは非常に小さい(ダニとしては大型)ので、水で流してしまうことが可能です。
殺虫剤と違い、息の根を止めるわけではありませんが、玄関前から水で下水に流してしまえば、戻ってくることはありません!
屋外水栓とホースがあれば楽ですが、ない場合でもジョウロで水をかければ、十分流せます。
ジョウロもない場合は、ヤカンやお鍋に水を入れて流すだけでもOK!
もし高圧洗浄機をお持ちの場合は、それでバシャーとやると、タカラダニの幼虫のエサとなるコケも併せて除去でき、周囲もキレイになるので、一石二鳥。
他にも家の各所のお掃除に使えるので、興味がある方は、ぜひこちら(庭掃除や洗車にはケルヒャー高圧洗浄機があると本当に便利!)をご覧ください。
殺虫剤の忌避効果を利用!
タカラダニを屋内に侵入させないもう一つの対策は、殺虫剤の忌避効果を利用する、というもの。
先に挙げた、キンチョールなどの殺虫剤には、噴射した薬剤の周囲に虫が来ないようにする、忌避効果があります。
これを利用し、玄関の周辺や窓のサッシに殺虫剤を噴射しておくことで、タカラダニの屋内への侵入を防ぐ効果が期待できる、というわけ。
ただ殺虫剤の忌避効果は長続きしないことが多いので、タカラダニのシーズン(5~7月)中は、定期的にスプレーしておく必要があるでしょう。
屋内に侵入された場合は、テープで捕獲!
ここまでの対策をしていても、屋内に侵入されてしまうこともあるかもしれません。
タカラダニが屋内に現れた場合、その駆除におすすめなのが、ガムテープや養生テープ。
これらを使い、タカラダニをつぶさないように気をつけながら、テープに張り付けて捕獲します。
こうすることで、周囲を赤く汚さずに済みます。
後はテープをビニール袋にいれ、口をしっかりと結んでゴミ箱に捨てるだけ。
それだけではビニール袋から出てくるんじゃないかと不安だ、という方は、テープに数秒間殺虫剤を噴射してから、ビニール袋に入れましょう。
ちなみにはるるのおすすめは、ガムテープよりも粘着力が弱く、糊残りしにくくはがしやすい養生テープ。
粘着力が弱いと言っても、タカラダニを捕獲するには、十分な粘着力があるので心配はいりません。
先のキーボードにタカラダニが出現した際には、この養生テープにかなり助けられました。
養生テープについての詳細は、こちら(ガムテープの剥がし跡(糊残り)に困っているなら養生テープ!)をご覧ください。
最低限の対策をしておけば、それほど心配はいらない!
タカラダニは、人間に害を与えるわけではありません。
そのため先に挙げた駆除や殺虫剤の忌避効果の利用により、屋内に入れない、洗濯物につかないようにする、といった最低限の対策をしておけば、心配する必要はありません。
今年も後1か月ほどはタカラダニのシーズンが続くので、気になっている方は、ぜひこの機会に対策を行ってみてはどうでしょうか。