AVアンプの電気代はいくら?1か月や1年間使い続けたときの電気代
本エントリーの目次
AVアンプは電気代がかかりそうだけど、いくらくらいなの?
AVアンプをすでに購入した方や、現在購入を検討されている方の中には、電気代がかかりそうで心配だ。
という方もいらっしゃることでしょう。
AVアンプは、テレビや液晶モニター、スピーカーと接続。
そして映画や音楽、ゲーム(家庭用ゲーム機・PCゲーム)などを、高音質で楽しむために使用する機材です。
この製品特性上、長時間電源をオンにして使用するので、毎月の電気料金がかなり高くなってしまうのではないか。
と心配してしまうのは、当然のことでしょう。
そこで今回は、私の自宅で以前使っていたヤマハさんの9.2ch AVアンプ、RX-A2060を例に、 AVアンプの消費電力の実測値や、1か月・1年間といった長時間使い続けた場合の電気代をご紹介します!
AVアンプ RX-A2060:
私の自宅のAVアンプ周辺の構成について
まずはじめに、私の自宅のAVアンプ周辺の構成について、ご紹介しておきましょう。
私の自宅では、PCゲームを高画質設定・4K・60fps※・5.1chサラウンド構成で楽しむために、以下のような機材構成としていました。
※1秒間に60回静止画を切り替えている動画のこと。
スピーカーは、KEF社のオーディオ向けスピーカーiQシリーズとXQ製品を使用しています。
参考:
30fpsと60fpsの違いや差は比較動画を見ても分からなかったけど実体験で納得!
PCゲームを高画質・高音質(4K 60fps 5.1ch)で楽しむための機材構成例
現在は AVアンプ(RX-A2060)の部分について、セパレート型のAVプリアンプ製品であるCX-A5200と、パワーアンプ製品のMX-A5200をバランス接続した組み合わせに変更しています。(GPUもSLIではなく、RTX3090のシングルGPU構成に変更しています。)
ですがセパレート型のAVアンプ製品はかさばるため、購入されたり購入検討されている方は少なく、一体型のAVプリメインアンプ製品が選択されるケースの方が多いと思います。
そのため今回は、以前使っていたAVアンプ(RX-A2060)製品を例に、消費電力の実測値や長時間使い続けた場合の電気代をご紹介しましょう!
AVアンプの実際の消費電力や電気代は、製品の仕様を見ただけでは分からない!?
AVアンプ製品の消費電力は、マニュアルやメーカーのサイトに正確な値が記載されているケースがほとんど。
そのため、この消費電力から自宅でAVアンプを使用したときの電気代を計算することが可能だ!
と感じられます。
おおよその電気料金は、消費電力量(kWh)から計算できます。
本エントリー執筆時点の電力料金目安単価は、1kWhあたり税込み27円。
そのため、1kW(1000W)の電化製品を1時間(1h)使ったときの電気代が27円となります。
このような関係が成り立つため、消費電力と使用時間が分かれば電気料金を計算することが可能というわけです。
参考:家電製品の電気代の計算方法や家電製品・使用時間ごとの電気代一覧表
そして私が以前使用していたヤマハさんのAVアンプ製品、RX-A2060の消費電力は仕様を確認すると490Wです。
この消費電力(490W)の電化製品を使い続けたときの、時間ごとの電気代は概ね以下のとおりとなります。
- 1分:0.2205円
- 3分:0.6615円
- 5分:1.1025円
- 10分:2.205円
- 15分:3.3075円
- 30分:6.615円
- 45分:9.9225円
- 1時間:13.23円
- 2時間:26.46円
- 3時間:39.69円
- 4時間:52.92円
- 8時間:105.84円
- 12時間:158.76円
- 24時間:317.52円
ただしこれらの数字は、仕様上の消費電力を使って計算した電気代であり、実態とは大きくかけ離れた値。
本来の、実際に自宅でAVアンプを使っているときの電気代と比べ、かなり高い金額となっていることがほとんどでしょう。
と言いますのも、たとえばヤマハさんのパワーアンプ※製品の仕様に記載されている消費電力は、一般家庭での通常使用されるであろう使用条件を想定した消費電力ではありません。
具体的には、以下のような条件で値が記載されています。
【パワーアンプ共通】各パワーアンプの消費電力は?また、どれくらいの電源容量を確保すればよいでしょうか?
製品情報>各パワーアンプ>「仕様」ページに、1/8出力時の消費電力を記載しています。
1/8出力(最大より9dB低い出力)は、通常の音楽信号で時々クリップする程度の出力を想定したもので、通常はこの消費電力を基準に電源容量を見積もります。
※AVアンプは、プリメインアンプ(プリアンプとパワーアンプの機能を両方持っているアンプ製品)の機能に加え、映像処理機能や音場処理機能を持っているアンプ製品の総称です。
パワーアンプでは、性能(最大出力)を超える音声信号の増幅を行おうとした際、信号の上下ピーク(波形の先端)部分が切り取られたような形状の波形となってしまうことがあります。
この現象について、『切る』、『刈り取る』などの意味を持つ『clip』という英単語から、クリップと呼ばれています。
クリップが起こると異音が発生したり、最悪の場合にはスピーカーの破損につながることもあります。
一般家庭でAVアンプ製品を使うケースを想定すると、クリップが起こるような出力での使用はかなり少ないでしょう。
そして多くの場合、実際の消費電力は仕様に記載されている数値よりもかなり小さくなります。
他のメーカーのAVアンプ製品でも同様に、仕様と実際の消費電力は大きく異なります。
こういった事情から、AVアンプの実際の消費電力や電気代は、製品の仕様を見ただけでは分からない、想定が難しいケースがほとんどでしょう。
尚、クリップについては、ヤマハさんの以下資料内の解説が分かりやすいので、興味がある方は併せて参照ください。
ヤマハ株式会社 – お役立ち資料:最適なパワーアンプ出力とは?
実測したAVアンプの消費電力から計算した、1か月や1年間付けっぱなしにした時の電気代
ここまでに書いたとおり、AVアンプの実際の消費電力や電気代は、製品の仕様を見ただけでは分からないケースが多いです。
ヤマハさんのAVアンプ製品、RX-A2060の消費電力と電気代については、以前にこのブログで以下のように紹介しています。
ヤマハさんのAVアンプ、RX-A2060とKEF社のスピーカー、iQ90を4つ、iQ60CとXQ60Bを各1ずつ使った5.1chサラウンド構成での消費電力は、以下のとおりです。
スタンバイモード時:3W
- 1分:0.0013円
- 3分:0.004円
- 5分:0.0067円
- 10分:0.0135円
- 15分:0.0202円
- 30分:0.0405円
- 45分:0.0607円
- 1時間:0.081円
- 2時間:0.162円
- 3時間:0.243円
- 4時間:0.324円
- 8時間:0.648円
- 12時間:0.972円
音量が-30.0dBでの再生時:120W
- 1分:0.054円
- 3分:0.162円
- 5分:0.27円
- 10分:0.54円
- 15分:0.81円
- 30分:1.62円
- 45分:2.43円
- 1時間:3.24円
- 2時間:6.48円
- 3時間:9.72円
- 4時間:12.96円
- 8時間:25.92円
- 12時間:38.88円
※上記エントリー執筆時点の電力料金目安単価である1kWhあたり税込み27円を計算に使用。
消費電力は、サンワダイレクト ワットモニター 700-TAP017を使って計測した使用中の実際の消費電力です。
参考:電化製品やPCが実際に使用する消費電力を調べたいならワットモニター!
KEF社のスピーカーを使った5.1chサラウンド構成のRX-A2060の消費電力は、スタンバイモード時は3W。
そして音量が-30.0dBでの再生時に120W、という結果でした。
仕様では490Wでしたが、一般家庭での使用条件の消費電力は120Wということで、1/4以下の消費電力しか使用していないようですね。
そしてこの値を使って電気料金を計算すると、先に書いたとおり、音量が-30.0dBでの再生時に1時間なら3.24円。
3時間なら9.72円、12時間なら38.88円というわけです。
一般家庭ではあまり想定されない使い方ではありますが、AVアンプを使ってBGMを1日や1週間など、長時間流し続けるような使い方をするケースでは、時間に応じて以下のような電気料金がかかる計算となります。
- 1日:77.76円
- 1週間:544.32円
- 1か月間(30日間):2,332.8円
- 1年間(365日間):28,382.4円
これらの計算結果を見ると、AVアンプの消費電力・電気代は決して小さいものではありません。
そのため長時間の音楽再生を行いたいケース(BGMを1日や1週間など、長時間流し続けるような使い方をするケース)では、電気代節約の観点からは、より消費電力・電気代が小さい音楽再生機材や方法を使った方が良いのかもしれませんね。
今回は、ヤマハさんのRX-A2060の実測値を使って、AVアンプの実際の消費電力と電気料金についてご紹介しました。
ヤマハさんの他の製品モデルや他社のAVアンプ製品では、仕様に記載されている消費電力と実際の消費電力(それによる電気料金)の関係は、もちろん異なるでしょう。
そのため、参考程度にお考えくださーい!