突然の離婚要求! 本当にそうですか?離婚には多くの原因が、その背景にはさらに多くの遠因がある!?
2018/04/21
本エントリーの目次
熟年離婚が増加傾向である、このような報道がニュース番組で取り上げられるようになってから、ずいぶん経ちます。
熟年離婚とは?
熟年離婚とは、結婚生活を長期間おくった夫婦が行う離婚のことです。
この期間については一般的には20年とされています。
熟年離婚はよく熟年者(50~60歳以上の)夫婦が行う離婚と勘違いされがちですが、そうではありません。
そのためたとえば18歳で結婚した夫婦が38歳で離婚した場合でも、熟年離婚。
何となく違和感を感じるのは、一般的には熟年という言葉が50~60歳以上の人を指す言葉だからでしょうか…。
熟年離婚が増加傾向であることの統計的な裏付け
熟年離婚が増加傾向であることは、統計的な裏付けがあります。
厚生労働省のwebサイトで公開されている、平成21年度「離婚に関する統計」の概況、という資料内の(9)同居期間別にみた離婚の年次推移、という箇所に以下の様に記載されています。
同居期間が20年以上の割合は、平成11年まで上昇傾向にあり、その後、若干増減し、平成20年には16.5%となっている。(図9、統計表第9表)
また併せて公開されているグラフを見ると、たしかに熟年離婚が増加傾向であることが読み取れます。
突然の離婚要求?
ニュース番組の熟年離婚をテーマにした特集を見ていると、かなりの頻度で聞くフレーズがあります。
夫婦仲はずっと円満だったのに、ある日、突然、離婚を要求されたんです。
離婚前のはるるは、ふむふむ、そうなのか、大変だなぁ…。
なんて聞き流していたのですが、離婚してからはこれを聞く度に考えることがあります。
本当に”突然”なのか?
もちろん離婚を要求された側は、突然だと感じるかもしれません。
先のフレーズのように、夫婦仲はずっと円満だった。
こう思っていたにも関わらず、相手から離婚を要求されれば、前触れもなく突然にどうしたんだ!?
と思うのは当然のことでしょう。
では逆に離婚を要求した側にとっては、どうでしょう。
突然の離婚要求ではない!
大喧嘩した勢いで、もう我慢できない!離婚だ!出ていけ!
と突然言ってしまうことは、もちろん考えられます。
ですが先の例の場合はそうではありません、少なくとも、離婚を要求した側にとっては。
そしてそれは多くの場合、熟慮に熟慮を重ねた結果です。
熟年離婚の場合はもちろんのこと、婚姻期間が短い人であっても、離婚は人生にとっての一大事。
だから離婚を要求する側は、多くのことを考えに考え抜いた結果、離婚という選択肢を選んでいることが多いはず。
つまり離婚を要求された側にとっては『突然』の離婚要求であっても、離婚を要求した側にとっては『以前から(密かに長い間)、考えてきた』離婚を(公に)要求しただけにすぎないのです。
ハインリッヒの法則
皆様はハインリッヒの法則というものを聞いたことがあるでしょうか?
ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒさんという方が提唱した労働災害における経験則で、以下のようなものです。
1件の大きな事故・災害の裏には、29件の軽微な事故・災害、そして300件のヒヤリ・ハット(事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例)があるとされる。
(Wikipedia – ハインリッヒの法則より引用)
この特徴から別名1:29:300の法則とも呼ばれています。
はるるは離婚してからというもの、このハインリッヒの法則が離婚にも当てはまるのではないか、と考えるようになりました。
つまり離婚の背景には29件の大きなケンカや原因などがあり、さらに300件の些細な小競り合いやすれ違いなどの遠因があった、ということです。
ただ、この件数には何ら根拠がありませんし、ポイントもそこではありません。
はるるが言いたいのは件数がどうこうということではなく、離婚の背景には、原因があり、その原因にはさらに小さい多くの遠因があるはずだ、ということです。
離婚のバケツに水をためない
実際に離婚を経験したはるるは、離婚へのプロセスはバケツに水をためることに似ていると思います。
結婚した夫婦は、それぞれに自分の離婚のバケツを持っていて、離婚の原因になることがあると、そこに水を入れていきます。
それが大きなケンカや原因であれば、大きなコップを使ってバケツに水を入れ、些細な小競り合いやすれ違いであれば、小さいコップを使います。
そうしていき、どちらか一方のバケツが満杯になれば、相手に離婚要求をするイメージです。
もちろん離婚したくなくなるようなことがあれば、自分のバケツの水を減らすこともあるでしょう。
先の突然離婚を要求されたという例では、要求された側のバケツには、水がほとんど入っていないのに対して、要求した側のバケツには溢れるほどの水が注がれていた。
こういうことだと思います。
だから離婚をしたくないのであれば、相手のバケツに、そして自分のバケツに水をためないことが重要です。
水の正体は何か
それはためた本人にしか、分かりません。
多くの場合、それは結婚相手への不満でしょう。
ですがそれが漠然とした将来への不安であったり、相手の家族への不満であったりすることもあり、その実態はためた本人にしか、分かりません。
場合によっては、ためた本人ですら分からない、ということもあるかもしれません。
ですがその水が離婚したい、そう思わせる何かであることだけは間違いないのです。
離婚を避けるには、日々の生活が大事
今回はハインリッヒの法則と離婚のバケツについて書きました。
既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、両者は共に、その大小はあれど離婚したいと思わせる何かの積み重ね、その最終成果物が離婚である、ということを表現しています。
だから日々の生活の中で離婚したいと思わせる何かを蓄積しないように生活をすれば、ずっと夫婦仲良く暮らせるのはもちろんのこと、離婚もせずに済むでしょう。
どうやって蓄積させないか、あるいは蓄積したものを除去するのか。
これはご夫婦それぞれ、また人それぞれに異なると思います。
ただ、日々の生活の中でそれが何なのかを考える姿勢があれば、自ずと相手を思いやることが増え、離婚したいという気持ちを相手に芽生えさせずに済むのではないでしょうか。
また、この記事をご覧の方の中には、既に離婚を要求されている、という方もいらっしゃるかもしれません。
もし離婚したくないと考えているのであれば、相手の話をよく聞くことで、相手のバケツにたまっているものが何か、分かるかもしれません。
あなたの言い分もあるのでしょうが、離婚を要求されているのはあなたです。
まずはぐっとこらえて、相手の言うことを素直に聞いてみてはどうでしょうか。
そこに離婚回避の糸口があるかもしれませんよ。