寒い時にPCが起動しない場合は部屋が温まるまで待ってみて!
2018/04/21
本エントリーの目次
はるるは仕事柄、友人からPCやwebサービス、スマホの質問を受けることが多いです。
そして先日、2人の友人から立て続けに同じ質問をされたので、その内容と解決策をご紹介します!
朝、PCが調子悪い時があるんだけど…故障かな?
はるるが2人から受けた質問を要約すると、以下のとおり。
- ピポって言わない(POST正常音が出ない)時がある
- 画面が映らない(BIOS・UEFIの画面すら出ない)時がある
- PCが起動しない時がある(ずっとWindowsのロゴの画面のまま)
- 起動しても、頻繁にフリーズする
- 起動しても、勝手に再起動する
- USBに接続した機器が認識しない時がある
- 最近購入したPCではなく、安定して何年も使ってきたPCである(初期不良ではない)
また上記に共通して、以下の傾向がみられる。
- しばらく待ってから試すと、正常に動作する。
- 問題は最近、急に発生し始めた。
2人の話を聞いて、思い当たる原因があったはるるは、2人にこう聞き返しました。
その現象が発生するのは決まって寒い日じゃない?
先に挙げたような現象は、はるるの経験上、寒い冬の朝に出やすい現象。
そしてこの現象は、毎年はるるの働いている部署内のPCの数台で発生し、そのほとんどが購入後3年以上経っている少し古い機種。
原因はコンデンサかも
なぜ寒い日か?と聞いたのか。
それはコンデンサの劣化が原因ではないか、こう考えたからです。
コンデンサとは
コンデンサとは、こんな形の部品。
さまざまな電子機器の基板に取り付けられている部品のため、あっこれ見たことがある!
という方も多いはず。
このコンデンサの主な機能は、電気を蓄えたり、放出したりすることです。
蓄えれる電気の量を静電容量といい、コンデンサの性能を表す指標の1つとなります。
コンデンサは経年劣化により、静電容量が低下する
コンデンサは経年劣化により、少しずつ静電容量が低下します。
つまり新品のコンデンサに比べ、使い込んだコンデンサは蓄えられる電気の量が減る、というわけ。
コンデンサは低温時では性能が低下する
コンデンサのもう一つの特性として、低温時には性能が低下する、というものが挙げられます。
そして今回の現象は、この2つの特性が組み合わさった時に発生しやすい現象なんです。
古いPCが寒い日に不調になりやすい理由
PCを構成する多くの部品には、非常にたくさんのコンデンサが使われています。
そして古いPCでは経年劣化により、それらたくさんのコンデンサの性能が低下しています。
その中でも特に問題になるのが、PCに電気を供給する電源ユニット内のコンデンサの性能低下。
さらにこれに寒い(低温)という条件が加わると、さらに性能が(一時的に)下がります。
これらの要因により、PCの起動に必要な電気が、PCを構成する各種部品にうまく行きわたらなくなる。
これが、古いPCが寒い日に起動に失敗してしまう原因の1つ。
また仮に起動できたとしても、ソフトを多数起動するなどして、より多くの電気が必要になった際に、電気の供給が不安定となり、その結果としてフリーズや再起動が発生します。
解決するには室温を上げる
はるるの働いている部署内のPCで、この現象が発生した場合、はるるは以下のようにお願いしています。
しばらく待ってから、再度起動を試してみてください。
はるるの所属する部署で、この現象が発生するのは、圧倒的に冬の月曜日の朝一が多いです。
これは、月曜日の朝一が最も室温が低いからでしょう。
会社は土日休みのため、土日はサーバ室を除き、オフィスの空調がすべて止まっています。
そのため他の曜日に比べ、月曜日の朝が一番室温が低い傾向にあるんです。
そこで先ほどの指示は、エアコンが効き始めて室温が上がるのを待つためのもの、というわけ。
発生しやすいのはどんなPCか?
先に書いたように古いPCでは経年劣化により、現象が発生する可能性が上がります。
またもう一つの、現象が発生しやすいPC側の要因として、電源容量に余裕が少ない、というものが挙げられます。
それはPCの電源容量に余裕が少ない場合、室温が低い際の電源ユニット内のコンデンサの性能低下に対応しきれず、電源容量不足となってしまうから。
一般的に安価なPCの場合、コスト削減のために、元々電源容量の余裕が少ない電源ユニットを搭載している製品が多いです。
また高価なPCであっても、購入後にグラフィックボードなどの部品を、自分で追加していれば、電源容量の余裕が減っています。
こういったPCでは、現象が発生しやすいと言えるでしょう。
またマザーボードも電源ユニットと同様に、コンデンサの性能低下により、問題が発生しやすいパーツ。
そしてそれは大容量の、そして多くのコンデンサが使われているため。
現象が頻発する場合は、これらを交換することで、改善する場合があります。
ですがその他の部品も経年劣化しているでしょうから、新品に買い替えた方がお特というケースもあるでしょう。
そのためこれについてはどちらがお得か、という判断は簡単ではありません。
現象が頻発する場合は、データのバックアップを!
データをSSDやHDDに書き込んでいる際に、突然の再起動や電源断が発生すると、最悪の場合、記憶域が破壊、または整合性に問題が生じ、データを正常に読み出しができなくなってしまうことも。
そのためこの現象が頻発する場合は、重要なデータのバックアップを早めに行うことをおすすめします。
取りあえず待ってみる!
普段は大丈夫なのに室温が低い時だけ調子が悪い、という場合は、今回ご紹介した『室温が上がるまで待つ』、という対策をまずは試してみてください。
これだけで何事もなかったように、調子よく起動するかもしれませんよ~!
またもしうまく起動できたら、データのバックアップだけは忘れずに!