公正証書作成のすすめ
2016/04/18
離婚の種類
離婚には大きく以下の4つの種類があります。
- 協議離婚(全体のおよそ90%)
- 調停離婚(全体のおよそ9%)
- 審判離婚(ごくわずか)
- 裁判離婚(全体のおよそ1%)
協議で夫婦双方の条件が折り合えばいいのですが、そうでない場合、家庭裁判所に間に入ってもらい調停を行います。
これでも折り合わなければ、家庭裁判所の判断による審判離婚、もしくは夫婦どちらかの訴えによる裁判離婚となります。
離婚回避に向けての話し合いを進めていく中で、離婚を回避することができず、離婚することで合意した場合、協議離婚という形になります。
はるるもこの協議離婚で離婚しました。
そのため今回から数回は、この協議離婚で重要な公正証書の作成について書きたいと思います。
離婚に向けた話し合いの中で、元妻がはるるに言った言葉の中に、こんな言葉がありました。
夫婦なんて所詮他人だよ?そんなことも忘れていたの?
長い結婚生活の中で家族同然だと思っていた元妻からのこの言葉は、衝撃を受けた。
という一言では片づけられませんでした。
たしかに子どもとは違い、結婚相手には血のつながりは無いわけで、当然と言えばそうかもしれません。
ただ家族として長年苦楽を共にしてきた相手に、こうも簡単にこういうことを言えるんだな、なんて当時は感じたものです。
ただ、ここで言いたいのはそういった感傷的なことではなく、離婚協議において離婚する方向で話し合いがまとまっていった場合、情にとらわれて条件面で妥協してはいけない、ということ。
往々にして相手も条件面で自分に有利になるように、あの手この手でこちらをおとしめようとしてくるということです。
前回の話し合いでは、こう言っていたのに今回は言い分が変わっていて、要求が高くなっているじゃないか!
その条件では離婚には応じられないよ!
離婚協議ではこういったことが日常茶飯事。
はるるの場合もそうでした。
養育費しかり、財産分与しかりです。
だからこそ以前離婚を切り出されたら②で書いたとおり、話し合いの際は記録(音声録音など)が必要なのです。
そうすれば、以前はこれで合意していたじゃないか、そう対応できるわけ。
ただ、この協議の際の音声録音等の記録は完璧ではありません。
なぜなら、これは偽造されたものだ!
と言われてしまった場合の証明は簡単ではないため。
それではどうすればいいのか、そこで先に書いた公正証書の出番なのです。
公正証書作成のすすめ
公正証書とは、各自治体にある公証役場にいる、公証人と呼ばれる法律のプロによって作成してもらう、離婚、金銭の貸借に関する契約等を記した公文書です。
この書類に記載の内容は、裁判において非常に強い証拠能力を持ち、先ほどの音声録音のように本物かどうかを証明する必要がありません。
また、公正証書の原本は公証役場に保存されるため、偽造、改変される心配もありません。
つまり公正証書に離婚に関する決め事を書けば、よほどのことがない限り、ここは後でやはり変えます!
とはできなくなる、というわけ。
さらに公正証書に強制執行ができる旨の条項を記述することにより、金銭債務を履行しない場合の給与差し押さえが簡単に行えます。
こう書くとなんだか難しいですが、これはよく養育費で利用されており、養育費を支払わなければ、給料を差し押さえますよ!
といったことが、簡単に可能になります。
このように、離婚の際に話し合って決まった決め事は、後で簡単に反故にされないように、公正証書にしておくことをおすすめします。
そこで次回は、この公正証書の作り方について、書きたいと思います。