10%引きと10%ポイント還元は同じだと思っていませんか?
2018/04/22
本エントリーの目次
先日はるるの後輩くんに、次年度の業務に必要な機材とその個数、購入先のリストアップをお願いした時のこと。
あれ?こっちの方が安いのに?
後輩くんが作ってくれた資料を確認していたところ、1か所気になるところが…。
それはとある商品の購入先。
A店では、いつもその商品を定価の10%引きで販売してくれています。
これはその商品に関しては、A店が最安値となることが多く、かなりの頻度でA店で発注をかけていたはるる。
ですが今回後輩くんの作成した資料では、その商品の購入先がB店に変更されていました。
ふと気になったはるるは、B店の価格を見てみると、その商品を定価販売しており、まったく安くありません。
あれ?A店の方が安いのに…。
そう思ったはるるは、後輩くんに確認してみることに。
10%ポイント還元されるから一緒ですよ?
それにB店だったら、ネットで購入手続き可能だから、楽ですよ!
A店だと見積書をもらって、それに会社のはんこを押さないと、購入手続きができないじゃないですか。
あれ面倒だなって、はるるさんを見て思っていたんです。
だから今回からB店に変えたんですが、ダメでした?
これが後輩くんのB店に変えた理由。
ふむふむ、なるほど。
たしかに筋が通っていますね。
ですが後輩くんよ、一点間違っていますぞ!
10%引きと10%ポイント還元は、似て非なるもの!
これ、意外と勘違いしている人が多いのかもしれませんが、実はまったく違うものです。
でもこれは、節約を考える上では絶対におさえておきたいポイント。
そう、超重要です!
この違いを理解するには、10%引きと10%ポイント還元、これらについて、まずはしっかりと理解する必要があります。
10%引きとは?
これはある商品を購入する際、本来の価格の10%、つまり1割を引いた価格で買えますよ、ということ。
たとえば、1万円の商品を10%引きで購入するということは、9,000円( = 10000 ー (10000 × 0.1))で購入可能、というわけ。
10%ポイント還元とは?
大手家電量販店などで、よく使われているのが、このポイント還元という仕組み。
これはある商品を購入する際、本来の価格で販売します。
その代わり、その購入価格の10%のポイントを付与します。
そしてこのポイントは、次回以降の買い物で1ポイント = 1円の値引きに使用可能です!
というのが、その概要。
10%ポイント還元を実施しているお店では、ポイントを使いきる前提であれば、1万円で1万1000円分の買い物ができる、というわけ。
あれ?同じじゃないの?
これらをまとめると、以下のとおり。
- 10%引き
9,000円で10,000円の買い物ができる!
つまり+1,000の買い物ができる! - 10%ポイント還元
10,000円で11,000円の買い物ができる!
つまり+1,000の買い物ができる!
ほら、両方とも1,000円多く買い物ができるじゃん!
ということは、やっぱり同じだね!
と、思いがち。
これが、10%引きと10%ポイント還元は同じこと、と多くの方に勘違いされている理由でしょう。
割引率に変換して考えてみると…
しっかりと考えてみても、同じように感じられる、10%引きと10%ポイント還元。
ではこれを、割引率に変換して考えてみましょう。
10%引きだと?
これは10%引きですから、当然10%です。
10%ポイント還元だと?
10%ポイント還元の場合は、先ほど書いたように、1万円で1万1000円分の買い物ができるわけです。
これを割引き率に変換してみると、以下のとおり。
1 ー (10000 ÷ 11000)=0.090909091…
つまりおよそ9.09%です。
あれれ、10%じゃない!
つまり、10%ポイント還元の方が割引率が低い!
一見同じように見えた、10%引きと10%ポイント還元。
しかし割引率は10%と9.09%。
つまり10%ポイント還元の方が割引率が低い!=高い!=損!
というわけ。
重要な事なのでもう一度。
10%ポイント還元は割引率が低く損です!
言いかえると。
10%引きの方がお得です!
さらにこれらの計算は、還元されたポイントを使いきっている前提によるもの。
もしポイントを使いきれなければ、実質的な値引率が下がり、さらに損になる、というわけ。
10%ポイント還元の方が損になるもう2つの理由
実は10%ポイント還元には、さらに2つの落とし穴があります。
ポイントはそのお店、または系列店でしか使えない!
ポイント還元で付与されたポイントは、多くの場合、その店舗のみ、または系列店のみで使用可能、というケースがほとんど。
これも実はポイント還元が損になる理由の1つなんです。
それはこの制度のおかげで、心理的なリピート率が上がるからです。
どういうことかというと、たとえば、ある商品を購入しようとした際に、もう少し安い店があるにも関わらず、あ、そういえば…。
この間買ったあのお店なら、ポイントがあるから無料で買える!
こう思って、少し高いにも関わらず、ポイントで買ってしまう、というケースが多いはず。
でも、よく考えてみてください。
これ、全然お得じゃないですよね?
だって、そのポイントは前回の買い物で、10%引きに比べて多めに払っているお金ですよ!
ホントはもっと安い店で買えるのに…。
そしてこの買い物で足りなかった分を現金払いすると、その部分に対してポイントが付与されます。
後はこの繰り返し…。
ポイントは使いきらないともったいない!
ポイント還元で付与されたポイントには、有効期限があるケースも。
そして多くの場合、ポイントが残っていると、使いきりたい!
有効期限が切れてしまったら、もったいない!
という心理が働きます。
そのため、たいして欲しくもない商品を買ってしまったり、もっと安い店があるのに、ポイントを使うために割高なお店で買ってしまったり。
といった、もったいない消費行動をとってしまいがち。
そしてこの買い物で足りなかった分を現金払いすると、その部分に対してポイントが付与されます。
後はこの繰り返し…。
ポイント還元の仕組みは、ホントに消費者のため?
ポイント還元システムを導入するのは、お店側にとっても、システム導入費用などが必要になるはず。
それでも多くの量販店が、わざわざ煩雑なポイント還元システムを導入するのには、先に書いたような背景もあるわけです。
また、買い物をしているとこんなケースに遭遇したことはありませんか?
はるる『これ、もう少し安くなりませんか?』
店員さん『あ~、これは人気商品なんで、これが底値です、スイマセン!』
はるる『そこを何とか!10%引きで!』
店員さん『あ~、10%引きは無理ですけど、10%ポイント付与なら、何とか…』
つまり、これは10%引き ≒ 10%ポイント還元、または10%引き = 10%ポイント還元という心理を狙った、お店側の顧客の囲い込み戦略の一つとも言えます。
ホントに少しでも消費者に安い物を、という考えであれば、最初から10%引きで販売すれば良いだけなのですが…。
そう考えると、ポイント還元システムというのは、消費者のためのシステム、というよりはお店側の儲けのためのもの、という印象も。
あれれ、少し話がそれてしまったかも…。
つまり10%引きと10%ポイント還元は違う!
話をまとめると、10%引きと10%ポイント還元は違うよ!
同じ割合(%)なら、迷わず割引の方を買いましょう!