節電コンセント(電源タップ)で電気の無駄をしていませんか?
2018/04/22
先日、約1年ぶりにテレビの裏を掃除していた時のこと。
テレビの裏でからまっていた配線を片付けていると、使っていない電源タップ(OAタップ)を発見。
ちょうど1個買おうと思っていたので、買わずに済んでよかった、なんて思ったのもつかの間。
こう思ったんです。
うわ、もったいない!
というのも、その時の電源タップはこんな状態だったから。
ちなみにこの画像は、当時の状況を再現したもの。
実際の電源タップはホコリだらけで、お見せできないほどに汚かったので…。
使っていないのに…
さてこの電源タップ、何がもったいないのかというと。
これが。
こうでないと。
いけないわけですよ。
これを踏まえて、先ほどの画像をもう一度。
…全部スイッチオン、そのため全部のランプが点灯。
どこの差込口にもコンセントを接続していないのに、です。
これはもったいない!
浪費した電気代を計算してみると
どれだけ後悔しても、浪費した電気代はかえってきません。
ですが今後の参考までに、浪費した電気代を計算してみることに。
スイッチのランプの消費電力
これは諸説ありますが、一般的には0.2~2.0mA程度だそう。
今回は間を取って、1mAを計算に使用します。
家庭で使用する交流の場合の消費電力は、以下の式から求められる、とのこと。
電力(W) = 電圧(V) × 電流(A) × 力率(今回は1とする)
したがってスイッチのランプの消費電力は、0.1W(100 × 1 × 1 = 100mW)ほどということになるんじゃないかと。
※はるるは電気の専門家ではないので、間違っていたらゴメンナサイ。
ただネットで調べてみたところ、大手知恵袋的なサイトでは、節電コンセント(電源タップ)のスイッチのランプの消費電力は0.1W以下ですよ、という回答があったので、そう大きく外れている、ということはなさそうです。
そのため今回は、多めに見積もって、節電コンセント(電源タップ)のスイッチのランプの消費電力は0.1W、という前提で計算をすることにさせてください。
1日当たりの電気料金
電気料金を計算するには、電力をさらに電力量に変換する必要があります。
電力量を計算する方法はこちら。
電力量(Wh) = 電力(W) × 使用時間(h)
これに先ほどの電力を当てはめると、1日の電力量は2.4Wh(= 0.1 × 24)となります。
2015年4月現在の電力料金目安単価(1kWhあたりの電気料金)は27円。
そしてこれと1日に使用する電力量から、1日当たりの電気料金を計算すると約0.065円(≒ 2.4 ÷ 1000 × 27)です。
つまりスイッチのランプの消費電力は1日当たり、約0.065円です!
1年だとどうか
次に1年分の電気代を計算してみましょう!
先ほどの0.065円に365をかければOKなので、0.065 × 365 = 23.725。
そのためスイッチのランプの消費電力は、1年で23.725円となります!
ということは、はるるは約23.7円の浪費をしていた!?
と思いきや、そうではないのです。
先ほどの画像をさらにもう一度見ると…。
そう!
ランプは6か所すべてが点灯していました。
そのため。
142円を無駄にしていた!?
というわけですね。(142.35 = 23.725 × 6)
缶ジュースが1本買えちゃう金額ですね…。
ただ思っていたほどは高くない、という印象です。
スイッチが全部ONになっている電源タップを発見した際は、1,000円くらいムダにしたかも、なんて焦っていたので…。
ですが、電気代のムダであることに変わりはありません。
気を付けないといけないなぁ、と反省。
ホントに節約効果はあるの?
電源タップのスイッチ部のランプの年間電気代を計算していた時に、ふとこう思いました。
それは、節電用のスイッチ付きの電源タップは、本当に節電効果があるのだろうか、ということ。
節電の根拠
節電用のスイッチ付きの電源タップの節電の根拠は、こまめにスイッチをオフにすることにより、待機電力をカットするというもの。
そのため、どれだけの節電効果があるかどうかは、機器の待機電力とスイッチのオフの時間によって異なります。
そしてそれが大きければ大きいほど、長ければ長いほど、節電効果が大きい、というわけ。
一般的な家電の待機電力はどれくらい?
一般的な家電の待機電力は以下のとおり。
- HDD/DVDレコーダー(録再機):3.4W
- 温水洗浄便座:2.6W
- エアコン:2.4W
- デスクトップパソコン:2.0W
- 空気清浄機:1.7W
- テレビゲーム機:1.4W
- ノートパソコン:1.2W
- 電話機子機・充電器:1.1W
- 電気炊飯器:1.1W
- 加湿器:0.9W
- 食器洗乾燥機:0.8W
(Wikipedia – 待機電力より引用)
これを見ても、ふむふむなるほどね。
とは思えても、節電タップの導入による節電効果はよく分かりません。
そこで100円の節約効果を生むには、何時間電源タップのスイッチをオフにしておけばいいのか、これを考えてみましょう。
100円の節約効果を生むには
待機電力に3.4Wの電力を使用する、HDD/DVDレコーダー(録再機)のケースを考えてみます。
この計算でも先ほどと同じように、電力料金目安単価(1kWhあたりの電気料金)には27円を使用することにしましょう。
これらを材料に計算してみると、約1089時間20秒(≒ 100 ÷ (3.4 × 27 ÷ 1000))必要であることが分かります。
つまり45日9時間20秒の間、スイッチをオフにしていれば、100円の節約効果を発生させることができる、というわけですね。
仮に夜寝ている間(8時間)は電源をオフにするという条件だと、136日前後で100円の節約効果を生むことになります。
同じ計算を他の家電にも適用してみると、以下のとおり。
- 温水洗浄便座:1424時間30秒(約178日)
- エアコン:1543時間1秒(約192日)
- デスクトップパソコン:1851時間51秒(約231日)
- 空気清浄機:2178時間39秒(約272日)
- テレビゲーム機:2645時間30秒(約330日)
- ノートパソコン:3086時間3秒(約385日)
- 電話機子機・充電器:3367時間(約420日)
- 電気炊飯器:3367時間(約420日)
- 加湿器:4115時間14秒(約514日)
- 食器洗乾燥機:4629時間4秒(約578日)
※( )内は、1日8時間電源をオフにする条件で、100円の節約効果を生むのに必要な日数。
中には1年以上かかってやっと、100円の節約効果が出る家電もありますね。
ですが、たしかに節約効果はあります。
尚、厳密にはスイッチオンの状態のスイッチのランプの電気代を、計算に考慮しなければなりません。
しかし計算がさらにややこしくなるので、上記計算では無視しています。
そのため実際には、上記時間より多少多目の時間が必要になるでしょう。
節約効果の高い使い方
先の試算から分かるとおり、待機電力が大きく、普段あまり使わない機器に使い、こまめにスイッチをオフにする。
これが節電用のスイッチ付き電源タップの節約効果を高める使い方となります。
ムダになってしまうことも
通常、節電用のスイッチ付きの電源タップは、そうでないものに比べて割高。
その分を、こまめにスイッチを切り、節約効果を受けることで取り返すわけです。
ですが先のはるるのように、使っていないのにオンの状態だったり、こまめにオン・オフをしない場合、いつまでたっても取り返すことができません。
つまり割高な初期投資をし、無駄な電気代を余計に払い続けることになり、ムダになってしまうんです。
そのため頻繁に電源のオン・オフを行わない機器には、以下のような普通の電源タップを使った方がお得でしょう。
または以下のような電源オンの際のランプが光らないタイプの電源タップを使えば、通電中のランプの点灯による電気代は発生しません。
ついつい節電機能付きの電源タップを買ってしまうけれど
最近は、家電量販店でも節電機能付きの電源タップの方が、品ぞろえが豊富な場合も多く、ついついそちらを買ってしまいがち。
ですが節電機能付きの電源タップは、使い方次第ではお得にならないことも。
そのため購入の際は、使用用途をよく考えてから購入するのが、おすすめです!