住宅ローンは固定と変動どっち?私が全期間固定を選んだ理由
2017/09/08
本エントリーの目次
以前にも少し書きましたが、はるるは離婚後の現在も、結婚生活中に購入した一戸建てに住み続けながら、住宅ローンの支払いを続けています。
そのため、友人から住宅ローンについての質問を受けることが多いです。
その際によく聞かれるのが、こちら。
住宅ローンは変動金利と固定金利のどちらが良いの?
これは本当によく聞かれる質問です。
聞かれる率はほぼ100%。
はるるが住宅ローンを借りた際には、この点で迷うことは一切なかった(理由は後述)んですが、一般的には迷いやすいポイントなんだろうとは思います。
そこで今回は、住宅ローンは固定と変動どっち?私が全期間固定を選んだ理由、と題してお送りします。
住宅ローンの変動金利と固定金利の違い
はるるの考えを書く前に、まずは住宅ローンの変動金利と固定金利の違いについて、その概要をご紹介しようかと。
住宅ローンには、大きく3種類の金利の方式があります。
それは、変動、固定、固定金利期間選択型。
まずは説明のしやすい固定から。
固定金利
これは銀行から借りたお金を返済する際に、追加で返さなければならない利子の利率(金利)が返済期間中、ずっと一定(固定)であるという方式です。
後述する固定金利期間選択型と区別するために、全期間固定型と呼ぶ場合もあります。
返済年数が増えるに従い、適用される金利は上がります。
また適用される金利は毎月、その時の経済状況に応じて見直され、融資が実行された月の金利が返済期間の間、ずっと適用されます。
そのため融資実行月の前の月までは、金利が安かったのに、融資実行月には急に金利が上がった!?
なんてなると、大変ショック。
でも日常茶飯事ではあります。
変動金利
変動金利は毎月返済額や金利が変わるもの、と勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそうではありません。
変動金利では、金利は半年に1回見直され、その時の経済状況に応じて金利が上下します。
また変わらないことも。
返済額はたいていの金融機関では、5年に1回見直しが行われます。
そのため5年の間の金利の上下は、返済額に占める利息と元金の割合を調整することで吸収しています。
ただ一部の金融機関では、金利変更の度に返済額を変える、という仕組みを採用しているところもあります。
固定金利期間選択型
これは、返済当初にあらかじめ決めた期間は固定金利、その後は変動金利に移行する方式。
そのまま固定で借り続けられる金融機関もありますが、変動金利に移行するのが一般的です。
固定金利の期間は、2年、3年、5年、7年、10年、15年、20年、25年などから選択できる金融機関が多いはず。
そして固定期間終了後は、その時の経済状況に応じて、金利が決まります。
変動金利と固定金利での総返済額の違い
次に金利の方式によって、実際の総支払額がどれくらい変わるのかを、計算してみましょう。
条件は以下のとおりとします。
尚、計算を簡単にするために、金利が現在(2015年4月)よりも多少高いですが、あらかじめご了承ください。
- 借入額は3000万円
- 返済期間は35年
- 固定金利は全期間3%
- 変動金利は最初の10年は0.8%、残りの25年は少し経済が好転して、1.0%
- 返済方法は元利均等
- 固定、変動のどちらも繰り上げ返済は行わない
- 固定、変動のどちらもボーナス払いは行わない
- その他手数料はすべてなし
この条件で計算すると、返済額は以下のようになります。
変動金利の場合、総返済額(元金+利息)は3500万5665円(月額8万1918円)。
固定金利の場合、総返済額(元金+利息)は4849万768円(月額11万5455円)。
総返済額では1345万5103円、毎月の返済額では3万3537円、変動金利の方が支払額は低くなります。
たった数%の金利の違いでも、これだけの差が生まれてしまうのが、住宅ローン。
そのため適用される金利は、とっても重要。
そしてそれに直結する金利方式の選択も超重要、というわけ。
だから住宅ローンを組む際に、金利方式の選択で悩むのは当然でしょう。
さてここまでの説明で、金利方式についてはなんとなく雰囲気がつかめたのではないでしょうか。
そこでここからは、はるるの住宅ローンの金利方式の選択についての考えを書きたいと思います。
尚、あらかじめ先に断わっておきますが、はるるは経済学者でもファイナンシャルプランナーでもありません。
そのためここから先はあくまでも、はるる個人の考えとご理解ください。
どの金利方式がお得か、という問題はとても難しい
総返済額は少ないに越したことはない、誰もがそう思っているはず。
もちろん、はるるもそう思っています。
そのため変動金利にするか、固定金利にするかは、どちらがお得になるかで決めよう!
すなわち総返済額(あるいは月々の返済額)が少ない方の金利方式にしよう!
住宅ローンを初めて借りようとしている場合、こう考えている方も多いでしょう。
ですが、総返済額が少ない方の金利方式はどちらか、 という問題の正確な答えは絶対に見つからないでしょう。
それはなぜか。
未来のことは誰にも分からない
住宅ローンの金利は、変動であれば半年に1度変わる可能性があります。
固定であれば融資実行月の経済状況によって決まります。
これらはどちらも、住宅ローンの契約をする時点では、未来の話。
また総支払額は、途中で繰り上げ返済をした場合は変動、固定共に減ります。
これをする・しないでも総支払額が変わります。
これもまた未来の話です。
つまり『総返済額が少ないのはどちらか』という問題は、『未来はどうなるのか』という問題と似ている、というわけ。
未来がどうなるのかは誰にも分からない。
というのは容易に想像できると思います。
自虐ネタになってしまいますが、はるるが住宅を購入した際は、離婚するなんて思っていませんでしたしね。
というわけで。
総返済額が少ないのは変動金利なのか、はたまた固定金利なのか。
という問題の正確な答えは、住宅ローンを借り入れ、融資を実行してもらう時点では、存在しないのです。
そして答えがない問題ですから、当然答えは見つからない、というわけ。
答えは返済が終わった時に、初めて分かる
さて、融資を実行してもらう時点では分からなかった、この問題の正確な答え。
ですがいつかはその答えが分かります。
それは住宅ローンの返済が終わった時。
それじゃ意味がないじゃないか!
と思われることでしょう。
おっしゃるとおりです。
ですが正確な答えは、そのタイミングまでは絶対に分かりません。
つまり結果として、変動金利で借りた方がお得だったとか、固定金利で借りた方が総返済額が少なく済んだ、という話しかできないんです。
それも住宅ローンを完済した後に、です。
可能なのは予測だけ
以上のことから分かるように、住宅ローンを借り入れ、融資を実行してもらう時点で、私たちがこの問題を考える際にできること。
それは、こっちの方がお得だろうという予想だけ、ということです。
ただ先ほども書いたとおり、変動金利と固定金利ではどちらがお得か。
というのは、金利方式を決定する上での最重要ファクターとなることがほとんどでしょう。
そのため住宅ローンを組んでいる方の多くが、こっちの方がお得だろうという予想の元、金利方式を選択しているのが実状です。
当時のはるるの予想
さて、はるるが固定金利で住宅ローンを借りている。
というのは、タイトルを見れば一目瞭然なので、すでにお分かりのことと思います。
それはつまり、はるるが住宅ローンを借り入れした時は、固定金利の方が総返済額が少ないと予想したからだ、と思われるでしょう。
ですがそれは違うのです。
当時のはるるの予想は、おそらくは変動金利の方が総支払額が安くなるだろう、というもの。
にも関わらず、固定金利を選択したのには、しっかりとした理由があります。
住宅ローンに固定金利を選んだ理由
はるるが住宅ローンを借り入れした際に固定金利を選んだ理由は、たった1つ。
金利と月々の返済額がずっと変わらないから
これだけです。
当たり前と言えば、当たり前、ですね。
ですがこの理由だけで、はるるは住宅ローンに固定金利を選択しました。
というか、借り入れを行う前から固定金利しか考えていませんでした。
そのため固定金利の利率がもっとも低い金融機関を探して、住宅ローンの審査を受けたわけ。
そして当時はそれが住信SBIネット銀行でした。
住信SBIネット銀行については、超便利!住信SBIネット銀行を4年使ったのでレビューしてみるにて詳細に書いているので、興味がある方はぜひ併せてご覧ください。
ずっと変わらないことに、重きを置いたわけ
はるるが金利方式を選択する上で、金利と月々の返済額がずっと変わらないことを最も重要視したのは、以下のような理由から。
- 資金計画を立てやすい
- 将来にわたって金利が変わらないので、安心
住宅ローンはたいていの場合、高額かつ長期にわたるもの。
長い返済生活中には、一時的な支出増が起こることもあるでしょう。
そこで支出が増える××年××月までに○○円のお金を貯蓄しておく、といったような資金計画をたてておくことが重要だと考えています。
この際に変動金利では、この時の金利はこれぐらいだろうから、毎月の返済額はこれくらいだろう、という予想しかできません。
これがはるるは、たまらなく嫌だったんです。
はるるはあらかじめ綿密な予定をたて、それにそって行動し、滞りなく完遂するのが大好き。
何事も予定通りにはいかないよ、という意見もあるでしょう。
もちろん重々承知です。
それでも、好きなものは仕方がありません。
いわゆる融通の利かない男、なのかもしれませんね。
それはさておき、この点から金利が定期的に変わる可能性がある。
という変動金利の特性は、はるるのお好みではないのです。
また変動金利は常に金利が上がってしまうリスクと背中合わせ。
これが心配性のはるるとしては、不安で仕方がありません。
だっていつ上がるか、そしてどれくらい上がるかは、実際に上がるまでは分からないわけですから。
この点、固定金利はその心配は一切必要ありません。
これらが、金利と月々の返済額がずっと変わらないことを最も重要視した理由であり、はるるに固定金利を選択させた理由です。
ありふれた理由かも
このはるるが固定金利を選択した理由。
住宅ローンについてしっかりと調べている方であれば、こう思うでしょう。
なんだ、ありふれた固定金利のメリットじゃないか。
そのとおりです。
これらは多くの住宅ローンの解説サイトに書かれている、固定金利のメリットそのものです。
何かすごい理由があるんじゃないか、と期待していた方、スイマセン。
ですがこれが、はるるが固定金利を選択した正直な理由です。
固定金利を選択したことを後悔していないか
はるるの周りには、この数年に住宅ローンを組んだ方が6人いらっしゃいます。
そしてその全員が変動金利を選択しています。
そういう意味では、固定金利を選んだはるるは少数派、というわけですね。
そしてその6人の中には、固定金利だともったいないよ!
後悔しているんじゃない?
今からでも、変動に借り換えた方が絶対にお得だから、借り換えなよ!
と言ってきてくれる方がいます。
ですがはるるは、まったく後悔していません。
それは最初から、お得だと思って固定金利を選択したわけではないからです。
むしろ固定で借りて、精神的な安定を得ることができて良かった、とすら思っているほど。
でも傍から見たら、もったいないと思われてはいるんだろうな、とは思います。
実際、今のところのこれまでのはるるの返済期間の実績だけで考えると、変動の方が明らかにお得ですからね。
大切なことは、きちんと返せること
はるるの友人の中には、いくらまでなら借りられるのか、この点ばかりを気にしている人がいます。
しかしはるるは、この点は最重要とすべきポイントではないと思っています。
というよりも、借りられる金額ギリギリまで借りるのは大変危険です。
住宅ローンはたいていの場合、長期にわたるもの。
そのため家族の誰かが病気で入院してしまうなどの理由で、突然支出が増えてしまう、という可能性は十分にあり得ます。
かと思えば、転職により突然収入が減る、あるいはリストラ・怪我などで失職し、収入がなくなる可能性も。
さらに言えば、これらのタイミングが重なりダブルパンチ、といった可能性だって、ゼロではありません。
そうした理由により返済が滞ってしまえば、夢のマイホームを手放さなくてはいけなくなります。
しかも最悪の場合、手放したマイホームの残債を返済し続けなければならなくなることも。
そんなの誰だって嫌ですよね。
そのため住宅ローンを借りる際に、最も重要視すべきことは、『きちんと返せること』だと思います。
そして幸いなことに、そのための方法はたくさんあるのです。
- 月々の返済額を少なくするために、返済年数を長くする
- ボーナスカットに備え、ボーナス払いをしない
- 借入金を減らすために、購入する物件の価格を下げる(値切る or グレードを下げる、立地・間取りに妥協するなど)
- 借入金を減らすために、頭金がたくさん貯まるまでは、購入を見送る
などなど。
変動金利にするか、固定金利にするかは、確かに重要な問題です。
総返済額に直結することですから。
ですが、まずは『きちんと返せること』、これを最優先に考えることを強くおすすめします。
家は多くの人にとって、人生で最も高い買い物になるはず。
そのため後で後悔しないためにも、ぜひいろいろと考えてみてください~。