Windows DSP 単体パッケージ版を企業で利用できるのは最大5ライセンスまで
2019/03/13
本エントリーの目次
昨日のエントリー、Officeのパッケージ製品は同時に2台のPCにインストール可能!を書き終えて、内容を確認していると、ふとこう思い出しました。
そういえば最近のマイクロソフトさんの製品ライセンスの許諾で、企業利用の際の要注意なポイントがあるんだよなぁ。
これも意外に知られていないことなのかもしれないので、このブログでぜひご紹介しよう!
というわけで今回も、マイクロソフトさんの製品ライセンスの許諾に関するお話。
DSP版のWindowsをご存知ですか?
Windowsには、HomeやProfessionalといったエディションとは別に、OEM版やDSP版などいくつかの種類があります。
そしてそれぞれの版に、エディションが存在します。
つまりOEM版のHomeエディションやOEM版のProfessionalエディション、DSP版のHomeエディションやDSP版のProfessionalエディションがある、ということです。
OEM版とは?
OEM(Original Equipment Manufacturer)版は、別名プリインストール(またはプレインストール)版とも呼ばれ、メーカー製のPCやPCショップで購入したPCに、あらかじめインストールされているWindowsのこと。
DSP版とは?
PCを自作(自組)される方の多くはご存知だと思いますが、WindowsにはDSP(Delivery Service Partner)版と呼ばれる種類のものも。
これはWindows 7以前のOSでは、OSを購入する際にPCに使用する任意のパーツと一緒に購入し、そのパーツを組み込んだPCにインストールすることを条件に、安くWindowsを購入できる、というものでした。
そしてその購入・運用形態から、パーツバンドル(パーツ付属の意味)なんて呼ばれたりもしていました。
ですがWindows 8が発売時に、DSPでの販売方法が変わったため、単純にDSP = パーツバンドルとは言えなくなったのです。
これはどういうことかというと、Windows 8では従来のDSP = パーツバンドルでないといけないという条件がなくなり、DSP単体パッケージ版というものになったため。
DSP単体パッケージ版とは?
DSP単体パッケージ版とは、従来のパーツバンドルのDSPと異なり、WindowsOS単体での購入が可能になったもの。
そしてこれに伴い、同時購入したパーツの使用が不要になりました。
ただそれまでは、DSP = パーツバンドルであったため、これと区別するために、マイクロソフトさんは公式のwebサイトなどでは、DSP単体パッケージ版と呼んでいます。
Windows 7の販売方法も増えた!
Windows 8の発売時にDSPの販売方法が変わったことに伴い、パーツバンドルのみの販売であったWindows 7のDSPにも、DSP単体パッケージ版が追加されました。
Windows 10で販売方法が元に戻った!
この、Windows 8から変更になったDSP単体パッケージ版での購入ですが、Windows 10からはまた不可能になりました。
そのためWindows 10のDSPは、以前のWindows 7と同様、パーツバンドルのDSPのみに。
尚、この変更については、Windows 7、8、8.1には適用されていません
したがって7についてはパーツバンドルのDSPとDSP単体パッケージ版を購入可能。
8と8.1については、DSP単体パッケージ版を購入可能です。
この販売方法の変遷については、マイクロソフトさんのカスタマーインフォメーションセンターにて電話で確認をとっているため、間違いありません。
DSP版のWindowsを企業利用する場合、制限事項があります!
さて、ここからがいよいよ本題。
DSP版のWindowsを企業利用する場合、個人の利用と異なり、一部制限事項があるんです!
通常、企業ではボリュームライセンスのWindowsか、PCメーカーから調達したPCに付属のOEM版のWindowsを使用するのが一般的。
ですが特殊用途向けのPCが必要で、自作のPCを使うケースはゼロではありません。
また中小企業などでは、コスト削減などの何らかの理由により、自作のPCを使うケースがあるかもしれません。
こういった場合に、DSP単体パッケージ版のWindowsを使用すると、以下の制限事項が適用されてしまうわけ。
WindowsのDSP単体パッケージ版を企業で利用できるのは、最大5ライセンス!
これについては、マイクロソフトさんの公式webサイトにもしっかりと明記されています。
それを引用すると以下のとおり。
Q5. Windows 8 DSP 単体パッケージ版や Windows 8 Pro DSP
単体パッケージ版の法人での利用は可能でしょうか?DSP 版は基本個人利用目的として提供しており、企業ユーザー様の購入の場合は 5 ライセンスまでのみとなります。 ( 1 企業様 5 ライセンスまで)
※ DSP 版のプレインストールされた PC の場合には、1 企業様 5 ライセンスまでの制限はございません。(Microsoft atLife – Windows 8.1 / Windows 8 DSP 版とは?より引用)
※引用元ページはすでに削除されています。
注意書きにある、DSP版のプレインストールされたPCというのが、分かりづらいかもしれませんね。
これはDSP単体パッケージ版のOSを、PCショップなりメーカーなりがあらかじめインストール(プリインストール)して販売されたPCを購入した場合は制限しないよ、ということ。
この制限についても、マイクロソフトさんのカスタマーインフォメーションセンターに電話で確認をとったところ、制限はあくまでもDSP単体パッケージ版のWindowsについてのもの。
そのためパーツバンドルのDSP版Windows 7には、適用されません。(制限なし!)
ただしこの制限は、後から追加されたWindows 7のDSP単体パッケージ版には適用される(制限される!)、とのこと。
Windows 10には適用されません!
先に書いたとおり、この制限はDSP単体パッケージ版のWindowsに適用されるもの。
今のところWindows 10では、DSP単体パッケージ版のWindowsが販売されていないため、もちろんこの制限は適用されないそうです。
HomeとProfessional両方に適用されます!
一般的に使われるWindowsの多くは、HomeエディションかProfessionalエディションでしょう。
このHomeエディション、Professionalエディションと同等のエディションのOSには、先の制限が適用されることも確認しています。
ですがEnterpriseエディション、Ultimateエディションについては未確認です。
気になる方は、マイクロソフトさんのカスタマーインフォメーションセンターにて電話で確認されると良いかと。
Windows7、8、8.1のDSP版を企業利用する場合は、ご注意を!
Windows7、8、8.1のDSP版を企業で利用する場合、DSP単体パッケージ版では、先に書いたような制限が適用されます。
そのためWindows7、8、8.1のDSP版を企業で利用される場合は、制限に違反しないよう、ご注意ください~。