年末調整の紙を提出する前に絶対にやっておいた方が良いこと
2018/04/25
本エントリーの目次
11月もそろそろ終わり、もうすぐ年末ですね。
そしてこの時期になると、毎年のように後輩くんたちから聞かれることがあります。
年末調整って、何をどこに書けば良いんでしたっけ?
そのためはるるは毎年、後輩くんたちに記入の仕方を教えてあげるわけなんですが、最後にかならずこれもやっておいた方が良いよ!
と伝えていることがあります。
とても簡単なことなんですが、それをやっておくだけで次年度以降の年末調整の記入の際にとっても楽になることなので、ぜひ皆さんにもおすすめしたい!
ということで今回は、年末調整の紙を提出する前に絶対にやっておいた方が良いことと題しておおくりします!
そもそも年末調整って何なの?
年末調整の紙を会社の経理部の担当の方から配られたものの、あまり説明もなく、そもそもこれってなんのために書くものなのかよく分からない…。
という方もいらっしゃると思います。
そこでまずは年末調整について軽くふれておきましょう。
年末調整とは、会社などの雇用主が従業員の代わりに支払った税金の過不足を計算し、正しい税金額に調整する仕組みのことです。
会社に勤めて給与をもらっているサラリーマンの方の場合、毎月その一部を税金として天引きされ、さらに他の天引き項目についても引かれた後の残額を振込などの方法で受け取っています。
この時天引きされている税金は実は概算で、正確な金額ではないのです。
そして年末の給料支払い時に年間の給与所得が確定することで、やっと正確な税金が計算できるので、このときに事前に天引きされてきた税金の合計額と、本来納税すべき税金の過不足を計算。
事前に税金を払いすぎて(天引きされすぎて)いれば還付金というかたちで戻ってきます。
これとは逆に支払いが足りない場合には、追加で天引きが発生します。
これが年末調整の大雑把な仕組みです。
年末調整の書類には、たくさん書くところがあるのはどうして?
先にも書いたとおり年末調整とは、税金の過不足を調整して正しい額の税金とするための仕組みです。
この税額の計算はかなり複雑でして、所得の一部をなかったことにして税金を安くしてくれる所得控除(社会保険料控除や生命保険料控除など)や、計算結果の税金の一部をなかったことにしてくれる税額控除(住宅ローン減税など)が関係して決まります。
そのため正確な税金を計算するためには、年末調整の際にそれらについての記入と、併せて提出する資料(ローン残高証明書など)が必要となるわけ。
そして金額を記入するだけでは、嘘を書いて不当に税金を安くしようと悪知恵を働かせてしまう人もいるかもしれません。
そこで各種控除に関しては、それが正しい金額であると証明する各種資料(ローン残高証明書など)も併せて提出しなければならないのです。
さて、ここまでで年末調整とは?どうしてあんなに面倒なのか?
といったあたりは、なんとなーく分かったと思うので、いよいよ本題。
年末調整の紙を提出する前に絶対にやっておいた方が良いことは、こちら!
記入が終わった年末調整の紙はコピーするか、スキャンをしてデータを保存しておく!
え…?それだけ…?
なんて言われちゃいそうですが、これだけです。
頑張って記入が終わった年末調整の紙を提出する前にコピーして紙媒体として保存しておくか、スキャナーでスキャンするなどしてPDFやJPGなどのデータを保存しておくだけです。
どうして記入済みの年末調整の紙のデータをスキャンしておくと良いのか
年に1回しか書かない資料のため、書き方を忘れてしまいがちな年末調整の資料。
ですが多くの方は、昨年提出した年末調整の記入箇所と同じ箇所に記入するだけでOKのはずです。
もちろん記入箇所は同じであっても、各種保険料などは毎年値上がり・値下がりが起こるため多少異なります。
ただ昨年提出した年末調整のデータがあれば、書くべき箇所がパッと分かるので、それだけでも資料中の細かい字を読んだり、ネットで記入すべき箇所を調べる手間が省け、かなり助かるのです!
過去2年分の年末調整のデータが手元にあれば、さらに楽になるはず!
先にも書いたとおり年末調整では、毎年記入箇所が同じであっても金額が同じところと異なるところがあります。
前者は住宅ローン減税の資料の家屋や土地の総面積、後者は地震保険や生命保険の金額など(昨年度と同じ金額であることもあります)。
したがって過去2年分の年末調整のデータを見比べれば、あっ!ここは金額が毎年変わらない場所だから、去年と同じ金額を書けばOKだ!
といった判断がつきやすくなります。(毎年金額が変わるような内容については、金額の証明書が送られてくるはずなので、それらについては毎年変わる可能性があるものと考えて良いでしょう。)
こういった点を考えると、過去2年分の年末調整のデータを持っていると、より記入が楽になるはずです。
住宅に関する書類を戸棚から引っ張り出してくる手間がなくなる!
住宅ローン減税を利用する場合、給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書という書類の提出が必要です。
そして先にも少しふれましたが、この書類には取得している家屋や土地の総面積等の数値を記入する必要があるんです。
ですがこれらの正確な数値を覚えている方はまずいないと思うので、多くの方が記入の際に自宅の戸棚などに保管している物件購入時の資料を引っ張り出してきて、そこに記載された数字を転記しているのだろうと思います。
そんな面倒な手間もあらかじめスキャンしておいたデータがあれば、それをそっくりそのまま書き写すだけで大丈夫。
昨年と異なる内容を書かなければいけないのは、年末残高と最終的な控除額の部分くらいじゃないでしょうか。
以上のような理由から、記入が終わった年末調整の紙を提出する前にコピーして紙媒体として保存しておくか、スキャナーでスキャンするなどしてPDFやJPGなどのデータを保存しておくことを強くおすすめします。
データの保管には気をつけて!
今回ご紹介した『記入済みの年末調整のデータを保管しておく』ことで次年度以降の年末調整の記入を楽にする方法ですが、一点だけ注意してほしいことがあります。
それはデータの紛失・意図しない公開です。
記入済みの年末調整のデータには、生年月日や住所、家族構成はもちろんのこと、勤務先や取得している不動産の資産価値を推測できるデータ、各種保険の契約状況など、多数の個人情報が含まれます。
これらの情報が誤って流出・公開されてしまったら大問題です。
そのためスキャンした画像データは暗号化して保存しておいた方が良いでしょう。
特にオンラインストレージに配置する場合には、こちらに非がなくともストレージサービスの脆弱性などにより、意図せず情報が公開状態となってしまう可能性もゼロではありません。
そう考えると自宅のPCに暗号化して配置しておくか、コピーした紙を自宅に置いておくのが一番安心なのかもしれませんね。
補足:その他年末調整の記入時に疑問に思いそうな内容について
その他、年末調整記入の際に疑問に思いそうな内容については、ケンち(@soredou_kenchi)さんの【年末調整】申告書の書き方(住所の同上、子供の続柄など)と住宅借入金等特別控除申告書の記入が楽になるコツに書かれているので、併せてご覧いただくと参考になると思います。
ぜひ参考になさってくださーい!